メジャーリーグ、ワールドシリーズでロサンゼルス・ドジャースは世界一に王手となりました。
MLBジャーナリスト・AKI猪瀬さんとお伝えします。
――大谷選手の試合出場、猪瀬さんはどう見る?
左肩の状態は決して良くはないところです。ゲーム中も内野ゴロを打った時にゆっくりと1塁に走るような感覚がありました。でも無事試合に勝つことができたので、きょう勝てた要因は、先発ピッチャー・ビューラーが5回をしっかり投げたこと。ドジャースの最大の弱点は、先発ピッチャーの質と量だといわれている中、ゲーム1、2、3と山本投手を含めて全員、5イニング以上投げている。これが、想定外の出来すぎ感でここまで3連勝ですね。
やはり、大谷選手のけがが心配されるところですが、試合映像を振り返りながら見ていきます。
第1打席は、ボールをしっかりと見てフォアボールを選びました。この時、スイングは1回もありませんでした。
そして、第3打席は初めてのフルスイングの瞬間でしたが、空振り三振。少し左肩をかばって片手でスイングしているような印象でした。
猪瀬さんによると、スイングスピードを計測すると故障前と後は変わらないとのこと。見た目は、少し痛々しい印象でした。
29日、大谷選手の成績を見るとヒットは出ませんでした。
第1打席のフォアボール、第5打席には左足にデッドボールがあり、結果、3打数ノーヒットという結果に終わっています。
ただ、2回出塁して結果的に3連勝に貢献しました。
そして、試合中、大谷選手はジャンパーの中で左手に黒いサポーターを着けていました。塁に出た時も左腕が動かないようにぐっとユニホームをつかむ姿は、いつもと違った様子にも見えました。
――チームメートはどう受け止めているのか?
ゲーム前には、チームメートに「僕は頑張ります」とショートメールを送ったり、本人が言っていたのは「僕が休むことによってチームの士気が下がってしまうのは嫌なので出るんだ」という意思できょうは出てきましたね。
改めて「亜脱臼」とはなにか。関節が外れてしまうと脱臼になりますが、外れそうで結果外れなかったのが亜脱臼ということになります。
脱臼よりも軽いですが、関節周辺の痛みや腫れが生じてしまうということです。
スポーツ選手では、テーピングだけで出続ける人もいれば、痛み止めを飲んでも出続けられない人もいる、手術をする人もいるということでした。
大谷選手、試合後の会見では「今は痛みも引いてきているので、自分のスイングが戻ってきている。テーピングをしたりとかそこまで大きく違わなかった」と説明しています。
ロバーツ監督も、「痛み止めを使って出場していた」と話していました。
スポーツ医学に精通している馬見塚医尚孝医師は「なるべく表情に出さないようにしていたが、第3打席の空振りは痛そうだった」と感じたといいます。
また、左肩をかばいながら出ていることに関しては、「医学的な判断でいうと通常は試合には出られない。痛みに耐えてベストプレーを目指すというスーパースターならではの行動だ」と感じたそうです。
――右ひじの手術をしていて、今度は左肩をけが。大谷選手は休まないのか?
今回の亜脱臼に関していうと、これがレギュラーシーズンだったら恐らく数試合は欠場していると思います。ただ、今回の舞台がワールドシリーズなので、無理を押して出ているということだと思います。
ワールドシリーズ ドジャースVSヤンキース
フジテレビ系列で全試合生中継 朝9時~
※11月2日(土)は8時30分~
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