24日に行われる、プロ野球ドラフト会議。今年の注目は、能美市出身で日本体育大学(にっぽんたいいくだいがく)の寺西成騎(てらにしなるき)投手です。

能美市出身、星稜高校OBで日本体育大学4年の寺西成騎投手。

寺西投手:
「フォームが綺麗だとか癖がないというのは言われていてそのフォームを生かした綺麗なストレートとコントロールというのは自分の武器だと思っています」

186センチの高い身長とリーチを生かしたフォームでストレートは最速153キロ。さらに140キロを記録するフォークを中心とした多彩な変化球で相手バッターを惑わせます。投手だけで約80人いるという日体大でエースとしてチームをけん引する存在です。

寺西投手:
「みんなの中で一番になるためにがんばってきたというのもあるのでマウンドでは自信もっていつも投げています。」

さらに今年、大学日本代表に選出されエースとしてオランダでの大会に出場するなどドラフト上位指名が期待されています。

早くからエリート街道を歩んできた寺西投手。根上中学校時代には15歳以下の日本代表侍ジャパンに選出されます。のちのチームメイトで現在ヤクルトでプレーする内山選手などと共に活躍。主力投手としてアジア選手権優勝に貢献しました。

当時、硬式よりも球速が出にくい軟式で最速141キロを記録するなど「スーパー中学生」とも呼ばれていました。

星稜高校時代は同級生に内山、1学年上にはヤクルト奥川、巨人の山瀬とともにプレー。1年生の夏から甲子園デビューを果たすなど当時から将来を嘱望される選手でした。

寺西投手:
「活躍して、高卒でプロに行きたいなと思っていました」

3年春にはセンバツ出場も決まり、順調かと思われましたが…

高野連会見:
「慎重に協議した結果、今大会は中止せざるを得ないとの結論に達しました。」

2020年の春、新型コロナの感染拡大により出場が決まっていたセンバツ大会が中止に。そして星稜高校野球部も活動休止を余儀なくされました。実はこの頃、寺西投手は、右肩に大きなケガを抱えていました。

寺西投手:
「関節唇損傷という、野球選手はよくなるんですけど肩のケガですね。」

安静にして様子を見るという選択肢もある中、大きな決断を下します。

寺西投手:
「思い切って夏に向けて手術しようという形で、手術しましたね。」

高3の春にクリーニング手術を受けることを決めます。そのまま、公式戦に出場することなく高校を卒業。大学に進んだ後も2年間は長いリハビリ生活を送ってきました。もちろん、登板することもできません。

寺西投手:
「周りが野球している中でみんな投げている姿を見て僕も、あれくらい、ああいう風に投げられるのにと思ったりしましたしでも野球を嫌いになったりもう無理だと思うことはなかったですね。」

そんな寺西投手をすぐそばで支えてきたのは中日ドラゴンズで活躍した日体大の辻ピッチングコーチでした。

日体大・辻孟彦コーチ:
「大学3年生4年生になって投げられるようにチームに貢献してくれたらと伝えながら焦らずにやっていたというのはある。同級生とかがリーグ戦で投げたりとかしている中で寺西の場合はそこでも淡々と集中して自分の目標に向かってできる継続力のある選手。それは今後も期待できる。」

丸3年、実戦から離れた寺西投手。それでも地道なトレーニングを重ね、大学3年の春にリーグ戦で初登板を果たすと5勝を挙げ、強豪ひしめく首都大学リーグでいきなりMVPを獲得。すぐさまドラフト候補として注目を浴びる存在となりました。

寺西投手:
「家族も応援してくれて後押ししてくれていたので家族全員の目標でもあると思うので必ず達成したいと思いますし星稜高校の林監督だったり日体大の監督さん、辻コーチにもたくさんお世話になったので色んな人にいい報告ができるようにがんばりたいです。」

苦労を知る本格右腕。24日の吉報を待ちます。

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