サッカー・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選(15日・埼玉スタジアム)
日本―オーストラリア
最終予選の山場となる10月の2連戦。アウェーでサウジアラビアに勝って波に乗る日本が、続けざまに難敵を迎えた。
日本はタレントぞろいの攻撃陣が敵陣で泥臭くプレスを仕掛け、序盤からオーストラリアを相手にボール支配率で圧倒的に上回った。三笘薫の鋭く切り込むドリブル、久保建英の個人技などを交えて好機を作り続ける。だが、守備時には5バックになってゴール前を固められ、0―0で前半を折り返した。
この試合でキャプテンマークを巻いた守田英正は、試合前日の記者会見でこう気を引き締めていた。
「前回大会はホームのオーストラリア戦に絶対に勝たなければならず、死に物狂いで勝利を目指して戦った。相手も今回そういう気持ちで来ると思う」
2021年10月にあったカタールW杯アジア最終予選でも、今回と同じ4戦目に埼玉スタジアムで対戦した両者。当時はオーストラリアが3連勝でスタートしたのに対し、日本は1勝2敗とつまずいていたが、2―1で競り勝ち、立て直しのきっかけとなった。
今回は立場が逆転し、3連勝発進の日本に対し、オーストラリアは監督交代もあって1勝1分け1敗で日本戦を迎えた。
そして優勢に進めながら後半には自陣左サイドから許したクロスに対し、谷口彰悟のクリアが日本のゴールに吸い込まれ、不運な形で最終予選初失点を喫した。
その後、途中出場の中村敬斗のクロスが相手のオウンゴールを誘って追い付いたが、一筋縄ではいかないW杯への道のりを象徴する展開になった。【高野裕士】
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