序盤から強度の高い好ゲームもわずかの差で三遠に軍配
10月13日にスカイホール豊田で行われた三遠ネオフェニックスとのGAME2。シーホース三河は71-81で三遠に敗れ、ホームゲームでのシーズン初勝利は持ち越しとなった。
10月12日に行われたGAME1は72-85で敗戦し、9月の「AICHI CENTRAL CUP 2024」の決勝戦でも三遠に敗れている三河。昨シーズンの中地区王者相手に3連敗となり、力の差を見せつけられた格好だ。ただ、GAME2はリードしていた時間帯は三河のほうが多く、勝利まであと一歩だった。
GAME1ではトータルリバウンド数で三河20に対して三遠40と差をつけられ、インサイドで圧倒された。GAME1で露呈した課題はGAME2で改善され、トータルリバウンド数は三河40に対して三遠45とほぼ互角だった。勝敗を決めたのは、三遠・大浦颯太がクラッチタイムで決めた3連続の3Pシュート。こればかりは大浦のスペシャルな仕事を褒めるしかない。
試合後、ライアン・リッチマンHCは悔しさを口にしたが、その表情は明るかった。
「リバウンドとインサイドに関しては、今朝、非常にいいビデオミーティングができました。スキームも伝えましたが、メンタリティの部分も話しました。リバウンドで戦うことをもう一度強調して、それに対して選手たちが応えてくれました」
また、「今日のフィジカルなゲームを自分たちのスタンダードにしようとも伝えました。それは自分たちがリーグでどうあるべき存在か、アイデンティティとして必ずやっていかなければならないものです。2試合を通してそれを再確認できるようなゲームをさせてもらい、三遠さんと戦えたのはすごく良かったです」と前を向く。
ガードとしてチームを牽引した久保田義章も内容は前向きに捉えている。「体力的にもキツい中、お互い強度の高い試合を最初から最後までやって素晴らしいゲームでした。その中で勝ち切られたのは、今日は三遠さんのほうが一枚上手だったんだと思います。そこは切り替えて前に進むしかない。でも、三遠さんとフィジカルなゲームを早くから経験できたのは良かったです」
須田侑太郎の言葉で意識が変化してきた久保田
この日、チーム最多の7アシスト、チーム2位タイの11得点を記録した久保田。今シーズンはコート上で選手を集めてハドルを組む姿が目立つ。この点について久保田は言う。
「すっさん(須田侑太郎)のアドバイスの影響かもしれません。試合中はもちろん、オフコートの時も2人でよく話すことがあるんですけど、すっさんは『もっとポイントガードがチームメートを集めて話をしたり、セットの確認をしたりしたほうがいいよ』と。コーチが準備してくれたセットはありますが、それに対してポイントガードがコールし、オフェンスのリズムを作り、チームを動かす。それをもっとやったほうがいいと思うと言ってくれて。それが自然と出ているのかもしれません」
開幕前に「今シーズンは得点にもこだわりたい」と話していた久保田。まだ4試合を終えただけだが、久保田の平均得点は昨年より増えている。一方、チームの平均得点が73.0点とやや低いのは気掛かりだ。その点について久保田は「必ず改善できる」と話す。
「たしかに得点を取るべき選手が取れていないのが現状です。でも、もっと得点が取れるポテンシャルがあるのを知っています。今はただシュートが入っていないだけで、自分の役割は優大(西田優大)がプレーしやすい環境や、すっさんが気持ちよく打てる状況を作っていくこと。練習で確認しながらやっていけば、得点は自然に伸びていくと思っています」
GAME2の勝敗を決定づけたのは三遠の大浦と佐々木隆成、2人のポイントガードだった。先輩の柏木真介(現三遠)は「チームの勝ち負けはガードの責任」とよく言っていた。敗戦という結果を受けて、久保田は「その通りだと思います。今日は向こうの2人が上だったんだと思います」と認める。負けは認めるが、あくまで”今日は”だ。負けん気の強いポイントガードは、この悔しさを胸に成長を誓う。
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