経済的に困窮する子育て世帯への食料支援の現状を把握しようと、公益財団法人みらいファンド沖縄とおきぎん経済研究所が9~10月に実施したアンケートの結果が26日までに公表された。食支援を受けるひとり親世帯などの母親ら132人が回答。8割が支援に「満足している」と答えた一方で、受けられる支援の回数や食品の少なさから「満足していない」と回答した人も1割いた。長引く物価高が背景にあり、「ありがたいが足りない」との声が寄せられた。(社会部・嘉数よしの)

 アンケートは、みらいファンド沖縄の休眠預金活用事業「多様な参画で実施する支援される側の尊厳を守る新たな食支援事業」を受ける6団体を通して実施。食支援のニーズが高まる一方、物価高などで食品確保が難しくなってきていることから調査した。

 受けている食支援の回数は「月1回」が25%、「2~3カ月に1回程度」(14%)「半年に1回程度」(12%)と続いた。

 支援の量や回数への満足度を問うと、「満足」「やや満足」が8割だったのに対し、「やや不満」「不満」が1割。その理由は「種類・量が少ない」「家族が多く、あっという間になくなる」などだった。

 届く食料が缶詰めなど保存が利くものに偏りがちなこともあり、「お菓子やインスタント食品が多い」「食べることができない物が入っていることもある」との意見もあった。

 物価高騰の影響も尋ねたところ、87%が「世帯支出が増えた」と答え、特に影響を実感する支出は「食費・日用品費」(96%)「水道光熱費」(83%)。届くと助かる食料は「米」(81%)が最も多く、「野菜や肉などの生鮮食品」(57%)もニーズが高かった。

 フードバンクにおける食料品取扱量は全国でも県内でも減少傾向にあり、調査したみらいファンド沖縄などは「食支援のニーズの高まりを考えると、寄付をベースにした支援では維持が難しい。量が足りない、必要な栄養素を補えない、尊厳を傷付けるといったことが起きる」と指摘する。

 行政の支援に加え、民間の余剰物資をどのように分配するかなど「誰がどのように役割を担うかを考える必要がある」と提起した。

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