熊本市などは29日、熊本市電と熊本電鉄の相互乗り入れについて検討を始める方針を明らかにした。台湾積体電路製造(TSMC)進出で深刻化する渋滞解消策や公共交通への利用転換を目指す。2025年度に概算事業費や効果を算定して実現可能性を探る考え。
熊本市内を走る路面電車の熊本市電と、熊本市と合志市を結ぶ熊本電鉄は、両者の終点「上熊本」で乗り継ぎが可能だが、駅間が約80メートル離れ利便性が課題となっている。
両市と熊本電鉄による協議会が29日、熊本市内であり、利用促進や周辺まちづくりを含めた基本構想の策定を目指すことで一致。上熊本のホームを共通化する対面乗り換え案に加えて、新たに相互乗り入れ案が示された。
熊本市電と熊本電鉄はレール幅が異なり、相互乗り入れにはレールや車両の更新が必要。費用がかかり、期間は長くなる。一方、対面乗り換えは費用などを抑えられるが、直通運転はできない。基本構想では、それぞれの効果や事業費、時間軸を整理し、実現可能性を見極める方針。熊本市移動円滑推進課は「どちらか一つではなく(対面乗り換えから相互乗り入れと)段階を踏む可能性もある。具体的な検討はこれからだ」と説明した。【中村敦茂】
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