秋の風物詩「鹿の角きり」(奈良の鹿愛護会主催)が12日、奈良市の奈良公園にある鹿苑角きり場で始まった。14日まで。
角きりは人や他の鹿が傷つかないよう、雄鹿の角を除くために1672年に始まった。元々は町の人々が輪番で担っていたが、1899年からは神棚を置いて鹿の角を奉献する様式に変わり、現在まで年中行事として続いている。
まず法被姿の勢子(せこ)約20人が、鹿3頭を追い込む。竹と縄で組んだ捕獲具「十字」を角にたたきつけて捕獲。4~5人で鹿を押さえ、神官役が角を切り落とし、鹿を奈良公園に戻す。勢子がうまく縄をかけたり、切り落とした角が掲げられたりと、緊張感ある場面の連続に、見物人からは歓声と拍手が上がった。
家族で見に来ていた奈良市の公務員、久米玄悟さん(41)は「鹿を追い込んで縄をかけようとする様子には手に汗握った」と話し、崚介さん(6)は「鹿の逃げ足が速く迫力があった」と語った。
午前11時45分~午後3時。入れ替え制で1回約30分程度。入場料は中学生以上1000円、小学生500円。問い合わせは奈良の鹿愛護会(0742・22・2388)へ。【川畑岳志】
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