長野県内で甚大な被害が出た台風19号災害から10月12日・13日で5年となります。2019年10月12日、台風接近による豪雨で千曲川やその支流が氾濫し、東信や北信を中心に、住宅や道路、橋などに大きな被害が出ました。そして、10月13日未明、長野市穂保の千曲川堤防が決壊。広範囲が茶色い濁流にのみ込まれました。県内の住宅被害は8345棟、死者は災害関連死も含め24人に上っています。
11日、堤防の決壊地点に近い長野市の長沼小学校では、児童たちが命を守るための行動や避難所など防災について学習した成果を発表しました。
1、2年生発表:
「長沼のまちが海のように見えました」
6年生発表:
「雨がすごく降っていました。消防の人たちが避難してと回っていたことを今でも覚えています」
5年前のあの日の光景を話す児童たち。長野市の長沼小学校で行われた防災・減災の学習発表です。地域を襲った台風災害は、今も児童たちの脳裏にしっかり焼き付いています。
5年前の10月13日未明に起きた千曲川の堤防決壊。濁流は堤防から1キロほどの場所にある長沼小にも押し寄せ、1階部分が浸水しました。
災害以来、長沼小では10月13日を「長沼防災の日」と定め、防災・減災の学習に取り組んでいます。
11日は地区の住民を招いて、学習の成果を発表しました。4年生は「避難所」についてです。
4年生:
「長沼小学校の周りには7つの避難所がありました。4年生が(避難先の)北部レクリエーションパークまで歩いたら、40分~50分かかりました。とても時間がかかるので早く避難した方がいいと思いました」
6年生は防災のための備えについてクイズ形式で発表しました。
6年生:
「台風が来ているとき、間違っている行為はどれですか?」
「正解は『川の様子を見に行く』です。川や用水路は増水して危険です。近づかないようにしましょう」
改めて、命を守るための行動や備えの大切さを考える機会となりました。
4年生:
「避難所をいろんな人に知ってもらって、災害の時にすぐに逃げられるようにしてほしい」
児童の発表を聞いた地域住民は…
地域住民(70代):
「こういう地域に住んでいる現実を身をもって体験しないと、次の防災の時にまた同じ過ちを繰り返してしまうと思うので、経験を伝えていくことは非常に有意義なこと」
地域では住宅の再建も進み、災害の爪痕はほとんど残っていません。被災前2328人だった人口は、10月1日現在で1947人に。ここ1年は下げ止まりの状態ですが、高齢化も進み、コミュニティーの維持は大きな課題となっています。
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