インタビューに答える浜住治郎さん。「最も若い」被爆者として、日本被団協事務局次長として証言活動を続ける=東京都港区で2022年11月8日、宮本明登撮影

 日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)が今年のノーベル平和賞に決まったことを受け、胎内被爆者で、日本被団協事務局次長の浜住治郎さん(78)=東京都稲城市=は「受賞はまさかという気持ち。先輩たちの積み重ねてきた努力への評価だと思う」と喜んだ。

 浜住さんは「世界にはまだ核兵器がたくさんある。現在のウクライナや中東の情勢を踏まえても、核兵器がなくなるまで、まだ力を注がなければいけない。今回の受賞を力にしていきたい」と語った。

 この日、被団協役員らは東京・永田町で主要政党に唯一の戦争被爆国として核兵器廃絶に向けて世界をリードし、核兵器禁止条約に署名・批准するよう要請した。

 浜住さんは「受賞をきっかけに日本政府の姿勢が変わり、米国をはじめとする核保有国に広がってくれたら。まだ(核兵器がなくならないという)現実は重い。私たちは『再び被爆者を作るな』とずっと訴えてきた。それは被爆者だけでなく世界の人たちの願いだ。そこにつながる受賞だと思っている」と喜びをかみしめた。【椋田佳代】

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