旧ジャニーズ事務所(現SMILE―UP.=スマイルアップ)の創業者・故ジャニー喜多川氏による性加害問題を巡り、9月に解散した「ジャニーズ性加害問題当事者の会」の元メンバーらが9日、日本記者クラブ(東京都)で記者会見し、「世界的大事件が風化の一途をたどっていると感じている」と懸念を表明した。
元メンバーらは昨年10月以降、スマイル社が記者会見をしていないことを批判。スポンサー企業やメディアに対して「このまま終わらせていい問題なのか」と疑問を投げかけた。同社が昨年9月に設置した被害者救済委員会の対応については、面談した人から「尋問を受けているようで怖かった」「面談に耐えられるか不安」といった声が寄せられているという。アイドルグループ「忍者」のメンバーだった志賀泰伸さんは「被害者の人権が本当に守られているのか疑問がある」と危惧した。
全容解明のためには当事者への誹謗(ひぼう)中傷対策や再発防止策の具体的提示が必要だと強調。元ジャニーズJr.の長渡康二さんは「被害者はトラウマを抱えている。それを放置して幕引きさせてはいけない」と指摘。元Jr.の中村一也さんは「性暴力は社会問題。影響力のあるスマイル社が啓発していくことが信用回復にもつながる」と話した。
スマイル社は9月30日、同社から独立した被害者救済委員会が「迅速な被害補償が行われてきた」などとする報告書を公表。また、同日時点で被害を申告した999人のうち524人に補償内容を通知し、504人が合意したと発表した。
スマイル社代表取締役の藤島ジュリー景子氏は、グループ会社4社の会長職を5~8月に退いており、今月2日にはスマイル社が行っていたファンクラブ事業の運営を新会社「FAMILY CLUB」が継承した。【西本龍太朗】
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