大エジプト博物館の内部。漢字で「博物館」とも表記されている。この奥に常設ギャラリーの入り口がある=カイロ近郊ギザで2024年10月16日午前10時51分、金子淳撮影
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 三大ピラミッドがあるエジプト・カイロ近郊ギザで16日、日本の支援で建設された「大エジプト博物館」(GEM)の常設ギャラリーが開館し、試験的に営業を始めた。将来的にはカイロ中心部の考古学博物館などからツタンカーメンの黄金のマスクや副葬品が移送され、本格オープンする見通し。

 GEMは日本の資金援助で2012年に建設が始まり、遺物の保存や修復でも国際協力機構(JICA)が技術支援を行っている。収蔵品は10万点を超える見込みで、単一の文明を扱う博物館としては世界最大級とされる。エジプト観光の目玉として期待されており、考古学ファンの注目も集まっていた。

大エジプト博物館の試験営業にあたり感想を語る建設の責任者、アテフ氏(左)と岡浩・駐エジプト日本大使=カイロ近郊ギザで2024年10月16日午前9時37分、金子淳撮影
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 新たに公開されたのは、展示面積約2万平方メートルの常設ギャラリー。ファラオ(王)の彫像や副葬品など1万点以上の古代エジプトの遺物が「社会」「王政」「信仰」の三つのテーマごとに時代を追って展示されている。敷地内には「クフ王の船の博物館」も併設される予定。

 建設事業の責任者を務めるエジプト人のアテフ氏は「博物館の8割が公開された。エジプトと日本の協力の象徴だ」と強調。岡浩・駐エジプト日本大使は「日本の専門家の地道な努力の成果だ。これを機に多くの日本人に訪れてほしい」と語った。

 試験営業中の入場料は、外国人は1200エジプトポンド(約3600円)、ガイド付きだと1700エジプトポンド(約5200円)となる。【カイロ金子淳】

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