各地で春の岩手県大会の地区予選が始まったが、県内ではこの大会から打球の反発を抑える新基準のバットが導入されている。
新基準バット導入の目的やその特徴を取材した。
今シーズンから日本高野連が導入した打球の反発を抑える新しい基準の金属バット。
今回の導入には2つの目的がある。
1つ目が「打球による事故の防止」だ。
特にピッチャーはバッターとの距離も近いことから、打球を受けてけがをするリスクが高くなっていた。
2つ目は「ピッチャーの負担軽減」だ。
日本高野連では低反発のバットで打球が飛ばなくなることで打撃戦が減り、ピッチャーの球数が抑えられると考えている。
甲子園出場2回、2023年の夏の県大会で準優勝した盛岡三高の伊藤崇監督は、今回の取り組みをこう評価する。
盛岡三 伊藤崇監督
「(何より)事故防止、球数であったり試合時間であったり。新基準バットはこれからの高校野球を見据えた上で、すごく意義あるものなのかなと思う」
では、今までのバットとどう違うのか…。
新基準のバットの重さは約900グラムと今までのバットと変わらないが、最も大きい部分の直径が3ミリほど小さくなり、バットが細くなった。
また、断面を見ると金属の厚さは約3ミリから4ミリ以上と「肉厚」になる。
これにより打球の反発を抑え飛距離を短くし、打球速度を落とす狙いがある。
新基準のバットについて、盛岡三高の野手陣は「これまでより打球に伸びがない」と話す。
盛岡三 田中亮丞外野手
「これまでのバットで外野を越えていた打球が、新基準のバットだとただの外野フライになる」
盛岡三 横澤佳祐内野手
「よりいっそう小技、バントやバスター、狙い打ちを大事にしながらやっていく」
一方で、ピッチャーを中心とする守備面でも影響は大きいようだ。
盛岡三 岩清水飛世投手
「今までは詰まらせた打球が内野と外野の間に落ちていた。それが内野フライになったり、守備に関して良い部分がある」
盛岡三 横澤佳祐内野手
「内野安打や内外野のフライが多くなった。ポジショニングが難しくなった」
攻撃面・守備面ともに対応が求められる中、伊藤監督は「これまで以上に接戦が増えるのでは」と分析している。
盛岡三 伊藤崇監督
「接戦をものにする準備を、選手は心がけていると思います」
春の県大会地区予選もスタートした岩手の高校野球で、新基準バットの導入がどんな変化を生むのか注目だ。
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