明治神宮野球大会の高校の部は22日、神宮球場で準々決勝があり、東洋大姫路(近畿・兵庫)が6―1で二松学舎大付(東京)を降し、4強入りを果たした。東洋大姫路は23日の準決勝で横浜(関東・神奈川)と対戦する。
投手力の層の厚さを見せつけ、初の4強へ駒を進めた。東洋大姫路は先発した背番号「10」の左腕・末永晄大が6回無失点の力投で起用に応えた。「最後まで厳しくコースを突くことができた」と満足げに振り返った。
試練は2点リードの三回に訪れた。安打と死球で1死一、二塁のピンチを招いたが、強気に攻めた。2番の左打者には外角、3番の右打者には内角を突いた直球でいずれも見逃し三振に仕留めた。序盤は相手打線に速球を意識させ、中盤以降はチェンジアップを軸に組み立てる。走者を背負っても粘り強く投げ抜き、7安打を許しながらも本塁を踏ませなかった。
チームには最速147キロ右腕・阪下漣がいる。同じ兵庫県西宮市出身で小、中学時代も対戦経験があった。「阪下は頭一つ抜けた存在だが、負けないように必死についていっている」と日ごろからライバル視してきたという。
末永は近畿大会準決勝の天理(奈良)戦でも先発を託され、最速を更新する142キロをマークした。ただ、五回途中3失点(自責点2)でマウンドを降り、結果を出せなかった。一方の阪下は近畿大会4試合で27回余りを1失点に抑え、17年ぶり優勝の原動力となった。ライバルの活躍に悔しさが募った。
「前の試合の反省を生かし、修正できたのは少し成長できたかな。初の全国の舞台で自分の力を出せたことは自信になる」。一発勝負のトーナメントを勝ち上がる上で、投手力は欠かせない。末永がつかんだ手応えはチームにとっても大きな財産になった。【長宗拓弥】
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