高校野球秋季四国大会決勝(4日・高知県立春野球場)
○明徳義塾(高知1位)5―3高松商(香川1位)●
長打がなくてもビッグイニングは作れる。明徳義塾は集中打でそれを証明した。
明徳義塾は1点を追う四回、2死一塁で5番・里山楓馬からの連打で満塁とすると、打席には1年生の続木琥太朗が入った。「つないで1点ずつ取るのが明徳の攻撃。思い切り振り抜くことだけを考えた」。直球に詰まりながらも中前に運んで逆転に成功。さらに2本の単打が続き、この回だけで5連打の一挙4得点を挙げた。
この試合で放った11安打全てが単打。それでも馬淵史郎監督の表情は満足げだった。理由は明快だ。「単打しか打てないけど、走者を進めて少ないチャンスをものにするのがうちの野球」だからだ。「投手が安定しているから、1点ずつ積み重ねればいい」とうなずいた。
その投手とは絶対的エースの左腕・池崎安侍朗(あんじろう)だ。鳴門渦潮との準決勝は131球3失点(自責点2)で完投し、決勝も155球3失点で投げ切った。終わってみれば、四国大会では3試合全て1人でマウンドを守り抜いた。
ただ、馬淵監督によれば、池崎は発熱で体調を崩し、前日の準決勝直前に練習復帰したばかり。馬淵監督も「体が重そうで、見たことがない」というほどだったが、エースは崩れなかった。
絶対的エースの踏ん張りをしぶとい打線が見事に援護した。地元開催ゆえに負けられない思いを背負い、4年ぶりに秋の四国を制した。【皆川真仁】
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