大谷翔平選手(ドジャース)やダルビッシュ有投手(パドレス)など日本人選手が世界の舞台で躍動しています。レギュラーシーズンとプレーオフの違いについて、ワールドシリーズ制覇を2度経験した元メジャーリーガーの井口資仁さんが解説します。
■熱狂するファン 選手に与える影響とは?
ドジャースカラーのタオル この記事の写真(Q.プレーオフは観客の応援もすごく、こんなに盛り上がるものなのでしょうか)
井口さん「レギュラーシーズンと違って、ポストシーズンは負けたら終わりですから、選手たちの勝利に対する執念、一試合にかける熱量が全く違いますね。これは選手だけでなく、ファンの方も一緒だと思います」
(Q.プレーオフでのファンの声援は選手に影響はあるのでしょうか?)
井口さん「試合中、ふだん聞こえる会話の声が全く聞こえないので、アイコンタクトでサインをやり取りしないといけないです。ピッチコムのキャッチャーからの声も聞こえなくなるので、ポストシーズンはピッチャーがグローブに耳を当てて聞いています。そのぐらい盛り上がりはすごいです」
(Q.他に試合への影響、変化はありますか?)
井口さん「(本拠地では)完全にホームの雰囲気になります。やはりホームの選手たちはファンに後押しされる形になります」
(Q.円陣を組むようなシーンも見られました)
井口さん「ポストシーズンだけです。シーズン中には円陣を組むことはほぼないですが、ポストシーズンではリーダーの選手が円陣を組んで、声をかけて、『さあ行くぞ』という形になります」
(Qどんな言葉?)
井口さん「『我々は勝てる、チャンピオンになれるんだ』と、全員で鼓舞するような話です」 タオルを回す応援
選手にとってもプレーオフは、かなり違ったものとなっているということですが、現地ロサンゼルスのファンはどのように受け止めているのでしょうか。テレビ朝日の力石大輔記者が報告します。
(Q. 実際にプレーオフを目の当たりにしてみて、いかがでしたか?)
力石記者「ファンの熱気がふだんよりもギアが3段階アップしています。マイクを向けると、叫ぶファンが3割増しです。我々が『日本から来ました』と自己紹介すると、これまでは『大谷選手をくれてありがとう』で会話が終わっていましたが、プレーオフに入ると『ビール飲まないか?』『タオルあげようか?』と、プレゼントをくれるようになりました」
「実際にドジャースカラーの貴重なタオルも『東京に持って帰ってくれ』といただきました。プレーオフ名物として、タオルを回す応援スタイルとなっています。東京でいうと、巨人が得点した際にファンがタオルを回しますが、ロサンゼルスでは得点が入っていなくても、盛り上がりすぎてずっと回している状況です」
「この盛り上がりは、愛犬デコピンにも波及しています。球場に連れてきた際、アメリカメディアが相次いで速報し、老舗スポーツ紙でもデコピン特集が組まれました。『この惑星で最も有名なアスリートの愛犬がスポットライトを同じように浴びるのは当然のことだ』と伝えています。ワールドシリーズ進出までまだいくつかステップがありますが、実際に進出したらどうなるか分からないぐらいロサンゼルスは盛り上がっている状況です」
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■大谷「集中力」 ダル「平常心」■大谷「集中力」 ダル「平常心」
井口資仁さん解説ナ・リーグ地区シリーズ「ドジャース×パドレス」は第2戦終了時点(日本時間7日)で1勝1敗のタイです。井口さんに大谷選手とダルビッシュ選手のここまでの活躍のポイントを伺ったところ、『集中力』と『平常心』という言葉があがりました。
(Q.ダルビッシュ投手の『平常心』とは?)
井口さん「投手はどんな試合やシチュエーションでも、やはり平常心で自分の投球をすることが大事です。ダルビッシュ投手は今回で6回目のポストシーズンですが、その経験が生きていて、第2戦でも平常心で自分自身のピッチングをしっかりできました」
(Q.大谷選手との直接対決はどうご覧になりましたか?)
井口さん「本当に大谷選手に長打を打たれないよう、低めに丁寧に投げました。大谷選手も第2戦は打つ球がなかったというところです」
(Q.大谷選手の『集中力』とは?)
井口さん「打席に入るたびに集中力が増しているようで、特に第1戦ではそれを感じました。第1戦の1打席目では打ち取られた球を、2打席目ではしっかりとしとめました。狙って打ちましたし、自分自身でスイングをしっかり修正して、出たホームランでした」
(Q.打った後の雄叫び(おたけび)は、集中力があったから、吹っ切れた?)
井口さん「『狙った球をしっかり打てた』という思いだと思います。3点ビハインドの場面で誰もが『ここで打ってほしい』という場面で、しっかりと応えられたのは、集中力の高さです」
(Q.注目の試合は続きます。日本時間8日は移動日、そして9日からはパドレスの本拠地ペトコ・パークでの2連戦となります。勝敗を分けるポイントは?)
井口さん「短期決戦を制するためには、キープレーヤーを波に乗せないことです」
(Q.お互いのキープレーヤーをどう抑えるか?)
井口さん「もちろんドジャースは大谷選手です。パドレスとしては、大谷選手の前にランナーを置かないことが求められると思います。ドジャースは、絶好調のタティスJr.選手はムードメーカー的な存在ですので、タティスJr.選手をいかに打たせないかです」
(Q. やはり勝敗のカギは大谷選手ですか?)
井口さん「もちろん大谷選手だと思います」
(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2024年10月7日放送)
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