【ソフトバンク-オリックス】ソフトバンクの先発・前田悠伍=みずほペイペイドームで2024年10月1日、平川義之撮影

ソフトバンク―オリックス(1日・みずほペイペイドーム)

 ソフトバンクのドラフト1位ルーキー、前田悠伍投手が1日、オリックス戦にプロ初先発、初登板。だが、8安打を許して3回6失点での降板と、苦いプロデビューとなった。

 前田は滋賀県出身。大阪桐蔭高では2022年センバツ優勝の原動力となり、計3回甲子園に出場した。23年ドラフト会議では、日本ハムと楽天が競合して抽選の末にソフトバンクへの入団が決まった。

 今季はチームの方針として2軍戦や海外チームとの交流戦に登板。経験を積みながら、9月23日のチームのパ・リーグ優勝後に、初めて1軍へ合流した。

 「追い込んでからの1球でどこまで決められるかだと思います」。初の1軍マウンドで19歳の左腕は、自らのテーマをこう定めていた。そして、一回はかねて「抑えたい」と話していた大阪桐蔭の先輩でもある森友哉を、直球で二ゴロに打ち取るなど計6球で3者凡退に抑えた。

 しかし、二回は無死から4番のセデーニョの右前打を皮切りに4連打されるなどして4点を失った。三回にはセデーニョに今度は左翼席に運ばれる2ランを浴び、この回限りでマウンドを降りた。

 初登板を前に倉野信次投手コーチは「私の方が緊張しているでしょう」と笑っていた。一方、入団当初は「甘いプレーや考えが見える部分もあった」と振り返る。ただ、ファームのウエスタン・リーグでは登板12試合で4勝1敗1セーブ、防御率1・94の成績を残し、1軍登板の機会を勝ち取っていた。

 前田自身は初登板を前に「緊張よりも楽しみの方が大きい」と気後れする様子はなかった。ともに「今はどんな投球でも良い経験で結果は最後についてくると思っている。1球を全力で投げたい」と意気込んでいた。だが、その1軍デビューは痛烈なプロの洗礼を浴びる形となった。【林大樹】

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