打倒京都国際に燃える関東第一ナイン
大一番を翌日に控えた22日。チームは西宮市内のグラウンドで、フリー打撃や軽い守備練習をこなした。高橋徹平主将(3年)は「粘る投手陣を打線でカバーしたい。一戦必勝で目の前の試合に集中する」と自らに言い聞かせた。 チームはこれまで4試合を戦い、初戦の北陸(福井)以外はいずれもロースコアの1点差で勝ち上がってきた。原動力となってきたのが小島想生選手(同)、市川歩選手(同)の二遊間を中心とした堅い守りだ。ノックを受ける関東第一の市川
優勝候補の東海大相模(神奈川)を2-1で破った準々決勝は3つの併殺でピンチを広げず、9回途中まで投げて1失点と好投した先発の畠中鉄心投手(同)をもり立てた。神村学園(鹿児島)との準決勝では外野陣が活躍。最後は中堅の飛田優悟選手(同)が中前打で生還を狙った二塁走者を刺し、2-1の大接戦に終止符を打った。 小島選手は「外野に抜けるような打球をアウトにすれば、試合の流れを自分たちに持ってこられる」と強調する。最速150キロ超の坂井遼投手(同)、丁寧な制球で打たせて取る畠中投手ら投手陣の特徴を踏まえ、相手打線との相性も考えながら打球方向を予測。緻密な準備が鉄壁の守りにつながっている。打撃練習をする関東第一の高橋
一方、打線は甲子園に来て苦しんでいる印象だ。3回戦以降の3試合の総得点は7。主砲の高橋主将は東海大相模戦で値千金の先制本塁打を放ったものの、大会全体では15打数3安打と不調で、「決勝は(4番の)プライドを捨てて頑張りたい」と誓う。 ただ、チームを率いる米沢貴光監督に焦りの色はない。「そんなに打てるチームじゃない。これがうちにできる精いっぱいの野球」と繰り返し、選手たちにも地に足をつけた堅実なプレーを求めている。 もともと今の3年生の顔触れを見て、守り中心のチームづくりを決めたという。「勝利の確率を上げようと思った時、今の選手たちならこの戦いがベストだと思う」。素質に合わせて磨き上げた守り勝つ野球で、初の日本一をつかみにいく。 ◇◆地元・江戸川区民はカツ食べて応援
カツを食べて、関東第一を応援しよう! 23日の甲子園大会決勝に臨む関東第一高校を応援しようと、地元の東京都江戸川区松島の公共施設「グリーンパレス」内のレストランが、特別メニューを提供している。関東第一高校を応援する特別メニューのチキンカツ定食=東京・江戸川区のグリーンパレスで
「勝つ」にかけたみそかつ丼と、チキンカツ定食の2種類。チキンカツはビクトリー(優勝)とかけ、16センチの大きな鶏肉を使っている。それぞれ1100円で、うち100円は高校への寄付にあてる。 レストランは10年ほど前から、関東第一が甲子園出場を決めた時に応援メニューを提供している。今年も地方予選を勝ち抜いてから販売を始め、今月末までメニューに並ぶ予定だ。午前11時開店で、各15食限定。金祐司支配人は「地域を挙げて応援している。関東第一は初の決勝進出。こんなに長く応援メニューを提供するのも初めて」と語る。 応援メニューを目当てに職場の仲間と来店した臼井健了(たけあき)さん(35)は、みそかつ丼を注文。「絶対優勝してほしい。選手たちの頑張りを思い浮かべながら、午後の仕事も頑張ります」とカツをほおばっていた。(鈴木里奈) 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。