パリオリンピック体操女子ゆかの銅メダルを巡る騒動。発端は5日に行われた体操女子の種目別ゆか決勝です。

全選手の競技終了直後には、ルーマニアのアナ・バルボス選手が銅メダル獲得と思われましたが、アメリカ側が要求した採点見直しが認められ、銅メダルはジョーダン・チャイルズ選手へ変更されました。

男女通じて、オリンピック史上初めて黒人選手が体操の表彰台を独占。

また、2位のバイルズ選手と3位のチャイルズ選手がポーズをとり、金メダルのレベッカ選手をたたえたのです。

オリンピックの公式サイトもこの瞬間を捉えた写真を「パリオリンピック最高の写真」の候補としてたたえます。

しかし翌日、ルーマニア体操連盟がCAS(スポーツ仲裁裁判所)に、「抗議は採点発表から1分4秒後で、国際体操連盟が定める1分以内を超えていた」と提訴。

これをCASが認めたため、国際体操連盟は得点を再修正し、3位をルーマニアのバルボス選手に変更したのです。

この瞬間、歴史的なワンシーンとされた表彰式も記録上は“幻”に。

アメリカ体操連盟は裁定の見直しを求めますが、CASは「再検討は認めない」としてこれを却下。

そして先週、バルボス選手のもとに銅メダルが届いたのです。

しかし、アメリカ体操連盟は、「スイス連邦裁判所を含むあらゆる手段を追求する」と抗議の姿勢を崩していません。

国の威信をかけたこの銅メダル争奪戦。専門家は“審判団に問題がある”と指摘します。

スポーツライター・小林信也さん:
今問われているのは採点が正しかったかどうかじゃない。1分以内にインクワイアリー(抗議)をしたのか、しなかったのか、その時間だけが問われている。(抗議が)1分4秒後だったら、なんで審判団はインクワイアリーを受け入れたのか、「もう1分たっているから終わりですよ」と言えば、それで済んでいた話。

また、CASや国際体操連盟の対応にも問題があったとしています。

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