高校野球・夏の甲子園2回戦（13日）
○青森山田9―1長野日大●
中軸が無安打でも得点力があるのが、青森山田の打力だ。下位打線が活性化させた。
三回に2点を先取し、さらに2死一、三塁で右打席に入ったのは、7番・蝦名翔人選手だ。長野日大の左腕・山田羽琉投手にスライダーで徹底的に外角を攻められ、4球で追い込まれた。「どこに来ても対応できるようにしよう」。5球目もスライダーだったが、少しだけ甘く入ってきたところを逃さず引っ張ると、打球は左翼手の頭上を越えた。さらに2点を加え、この回一挙4得点。序盤で試合の流れを大きく引き寄せる一打となった。
蝦名選手は七回にも適時二塁打を放ち、この試合はチーム最多の計3打点と躍動したが、前後の打者の活躍も見逃せない。6番・橋場公祐選手は三回に先制の2点適時打を放ち、8番・菊池伊真選手も七回に2打点をマーク。9得点のうち、6～8番の3人で7打点もたたき出した。
チーム打率4割を超えた青森大会から打線は好調だ。1番・佐藤洸史郎選手は、「飛びづらい」という低反発バットで四回に今大会第2号となる本塁打を放ってみせた。蝦名選手が「（中軸に）任せきりではいけない。全員で勝ちにいかないと」と言えば、橋場選手も「上位が打てなければ自分たちが打てばよいだけ。打線には自信がある」と強調する。
兜森崇朗監督も「（中軸の）周りの選手が活躍したところは大きな収穫だった」と納得の表情を見せた。最速152キロ右腕の関浩一郎投手が注目されているが、打力も侮れない。【吉川雄飛】
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