17日間の熱闘に幕を閉じたパリオリンピック。ブレイキン男子に出場したのは金沢市出身の大能寛飛選手です。予選突破は叶わなかったものの圧巻のパフォーマンスで会場を熱狂させました。
パリ、コンコルド広場で行われた新競技ブレイキン。多くの観客が見つめるステージに最初に登場したのは…。金沢市出身のダンサーネームHiro10こと大能寛飛選手（19）です。盛り上がっていたのはパリだけではありません。
記者リポート：
午後11時です、大能選手が通っていたスクールにはその雄姿を見ようと多くの生徒が集まっています
迎えた初戦。早速、大能選手が魅せます。これには金沢で見ていた子どもたちも…。「やばい！」。ブレイキンは音楽に合わせて1対1で行う即興のダンスバトル。技の多彩さや独創性など5つの観点から審査されます。2回のラウンドを交互に踊り、過半数の審査員が支持した方がそのラウンドを取ります。第1ラウンドを落とした大能選手。第2ラウンドも自慢のパワームーブを繰り出しますが…。
実況：
ここもLITHE－INGですね
0対2で敗戦。小学生時代の大能選手を指導した草野さんは…。
草野真澄さん：
相手は、手数が多かったですね。大能くんはパワームーブとフリーズは世界最高レベルだったんですけど相手はパワームーブはもちろん、立って踊る動きとかフットワークのテクニックとか内容が濃かったと思います。どちらかというとオリンピックはバランスよくやらないと勝てないのかなっていう審査のされ方だと思います
予選グループ2戦目はSHIGEKIXこと半井重幸選手との日本人対決。半井選手が総合力で勝り大能選手はこの試合も0対2で落としてしまいます。後がなくなった大能選手。大能選手の実家の前にあるホテルでは近所の人や同級生などがエールを送っていました。しかし他の試合の結果を受け3戦目を前にして予選敗退に…。オリンピック直前に取材した大野選手はカメラの前でこんなことを話していました。
大能選手：
オリンピックの前にスタイルを変えたりとかやってきたんですけどやっぱり違うなって思って。自分の好きなことをどれだけできるかというか、自分のブレイキンの強みはパワームーブを自信を持ってできること。誰よりもパワームーブを愛しています
最後の試合。その言葉通りのパフォーマンスを見せます。
実況：
きた必殺技！止まらない！ワンハンドエルボーエアー！これがシグネチャーです！
片肘だけで回転する大技「ワンハンドエルボーエアー」を披露。さらに第2ラウンド…。
実況：
ON FIRE！ON FIREしています！
ステージに倒れ込んだ大能選手。全てを出し切りました。判定では0対2で敗れたものの…。
実況：
ブーイングが起きていますね！
大能選手のダンスをたたえるブーイングが飛び交いました。
実況：
すみません、我々の放送席も今、我々2人と横にいるディレクターも泣いています
この感動は金沢でも…。
同級生：
めっちゃかっこよかったし、自分もこんな活躍はできないけど自分も頑張ろうと思ったし、自分も泣きそうでした
大能選手が通っていた保育園の園長：
採点の点数はありますけど最後まで彼の踊りを世界に届けてくれたことが何よりもうれしいです
草野さん：
オリンピックって総合力の勝負なのでなかなかパワームーブだけっていうのは難しいのかなって思ったんですけど最後まで自分のスタイルを貫いたのがさらに感動を生んだと思います
試合後、大能選手は…。
大能選手：
ここまでやってこれたのも皆さんのおかげだし、応援してくれたみんなとかいろんな気持ちを考えて涙が止まらなくなってでも、最後は自分の大好きなブレイキンを見せられたのですごくうれしかったです。オリンピックは面白かったです。人生おもしれえっす！
自分のダンスを最後まで貫いた大能選手。結果だけではないブレイキンの素晴らしさを世界に伝えました。
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