広陵・中井哲之監督

 第106回全国高校野球選手権大会は第6日の12日、阪神甲子園球場で2回戦が始まり、広陵(広島)が熊本工に2―1で競り勝った。広陵の中井哲之監督は監督として春夏通算40勝目。中井監督の試合後の主なコメントは次の通り。

広陵・中井哲之監督

 (この勝利は)広島弁で言うと「ぶちうれしい」です。失策があった中で(高尾)響が粘り強く投げてくれた。(九回1死二、三塁から2者連続三振で締め)「立ち上がりからそうしてくれたら」といつも思うが、あれが彼の投球術なので。任せるところは任そうと思っています。

【広陵-熊本工】真っ白な広陵のユニホーム=阪神甲子園球場で2024年8月12日、渡部直樹撮影

 <0―1の七回に1番・浜本遥大(はると)選手が逆転の2点適時打>

 チームがスライダーをあまりにも意識しすぎていた。「スライダーを意識せずに甘い球を思い切っていけよ」と言ったのが良かった、ということにしてください(笑い)。

 元々、打撃技術はある子。でも今日は、浜本が序盤は丁寧にいこうとしていた。その丁寧さが、チームの当てるようなバッティングになったということで、注意しました。

 <熊本工の先発・山本凌雅投手は>

 力感なく丁寧に、コントロールよく投げられたが、80球ぐらいになって球が高めに浮いていた。まだまだチャンスはあると思っていました。

 <初戦を勝利しての手応えは>

 (ヘルメット、帽子、アンダーシャツを)白にして負けると何を言われるか分からなかったので(苦笑い)。白にして勝ててよかったです。

 <広島大会で好投した左腕の山口大樹投手らも控えていた中で高尾投手が完投>

 高尾がまぐれでヒットを打ったので、「(高尾投手を)レフトに回して(救援で)山口を」と描いていたんですけど、(高尾投手が)「代えるな」という目をしていたので。わがままなんです。(それで打たれたら)責任は取らせますけど(笑い)。

 (高尾投手は)スピードは特別速くはないですけど、(ホーム)ベースの上(で球)が強い。切れや回転数は、普通の高校生とは違うのかなと思います。(広陵OBのプロの投手に例えると)クレバーさで言うと(広島の)野村(祐輔)みたいな。今からプロに行くのか、社会人に行くのかわかりませんけど、そういうところを目指してくれたらなと思うんですけどね。

 <高尾投手は1年春から背番号「1」を担う>

 大プレッシャーですよね。広陵の1番を1年からつけさせられたというのは。それをずっとやってきたプレッシャーは半端ないと思う。

 僕にも責任があります。故障させるわけにはいかないし、順調に伸ばしていかなくちゃいけない。もう一回り体が大きくなったり、強くなったりして、柔軟性が出てくると、野球勘のいいピッチャーになるんじゃないかなという期待はしますけど。って言ったらその気になるでしょ(笑い)

 <この大会ではヘルメット、帽子、アンダーシャツを暑さ対策で白にしている>

 葛藤はないです。もちろんオッケーはいただきますよ。理事長、校長、OB会長と話をして、「いいじゃない」と言われたので。でも僕の中では、選手全員に用意ができるのであれば(改めようと思っていた)。だから、今日の応援団も白だった。白の帽子が間に合うならする、間に合わないならしない。そういう感じでした。(実際白に変えて)ますます、さわやかですね(笑い)。

 選手ファーストですよね。夏前に白い帽子を購入して、かぶって練習していたら、みんなから「涼しそうですね」と言われたので。黒とは温度が違う。黒(のヘルメット)はゆで卵ができますよ。

 広陵の伝統は、物事の考え方や歩んでいく道じゃないですか。(色が)変わったからって、広陵は変わらない。

 <この白星で春夏通算40勝に到達>

 皆が勝たせてくれた。僕が勝ったんじゃないんで。ほいじゃけえ、ぶちうれしいんですよ。

 (「とても」「すごく」の意味で)「ぶち」って言いますよね、広島県民の方は。僕、丁寧語を言ったらいつも(インタビューで)かむんですよ。だから今日から「ぶち」にしようと思って。広島県の人は喜びますよね。「気さくなおっさんじゃのう」と思ってね。気さくでいきたいです。えらくもないし、立派でもないんで。

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