女子1回目、5位に入った杉原愛子の床運動=高崎アリーナで2024年5月16日、玉城達郎撮影

体操・NHK杯 女子1回目(16日、群馬・高崎アリーナ)

杉原愛子選手(TRyAS)158・461点(51・965点+持ち点106・496点)=5位

 3大会連続オリンピック出場を目指す杉原愛子選手は「関門」と表する段違い平行棒で痛いミスが出た。

 最初の跳馬で13・866の高得点をマークして迎えた2種目めの段違い平行棒。D難度の離れ技に挑んだ際にうまくバーをつかみきれず落下した。11・733点と得点も伸びず、「やってもうたなって。試合でその技をやって落下するのは、中学生とか高校生ぶり。めっちゃ悔しいです」と大一番での失敗を反省した。

 ただ、見事だったのはそこからの立て直し。「第二関門」という次の種目、平均台では「いい意味で吹っ切れた」。多少のふらつきはあったものの、大きなミスなくまとめて力強くガッツポーズ。最後の床運動でも会場を盛り上げて一体となった演技で13・266点を記録して、5位につけた。今大会、個人総合での五輪代表に選ばれるのは上位4人。4位の選手とは約1・5点差があるものの、代表争いにも踏みとどまった。

 思い返せば、初日に臨むにあたり、「平常心」と唱えながら、どこか点数を気にしている自分がいた。

 「決勝はほんまに点数とか立ち位置を気にせずに。好きな体操をただ楽しみながら、その楽しさをファンの皆さんや体操を知らない人にテレビとかSNSを通して、お伝えできたらいいなと思います。楽しむことでいい結果はついてくると全日本(選手権)の時に感じたので、それを信じて」

 重圧がかかる舞台で「楽しむ」ことは容易ではない。でも、経験豊富な杉原選手はそのすべを知っている。【角田直哉】

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