この季節、クリスマスや通販セールなど、宅配を利用する方が多いと思うんですけれども、その中で“置き配”を利用する方も多いと思います。

しかし、年々置き配の盗難被害が増加していて、保険などで補償されるのが難しく、98%が泣き寝入りをしているのが現状なんだそうです。

どうしたら被害を防げるのか、取材しました。

SNSで度々目にする「置き配を盗まれた」という投稿。
実際に話を聞いてみると、被害に遭った20代の男性は「昼ごろに配達員の方から写真が送られてきて、(仕事終わり)20時ごろ帰宅した時には(荷物が)写真の場所になかった。日本であまりそういうことないと思っていたので」と、当時のことを話してくれました。

さらに、わずか2時間の間に荷物を盗まれたという20代の女性は、「私の住所と名前が載ってるものがとられている。個人情報の方が心配。日本だから大丈夫だろみたいなのがあったんですけど」と話します。

2人が口をそろえて言った「日本だから大丈夫だろうと…」。
しかし2023年度、東京都内で置き配が盗まれたなどの相談は、消費生活センターが把握するだけでも368件あり、2024年はさらに増加傾向にあるのです。

一軒家や集合住宅関係なく、道路から荷物が見える場所が狙われやすい置き配盗難。
大事な荷物を守るための対策を防犯アドバイザーの京師美佳さんに伺いました。

京師さんは「犯罪者が嫌がる4原則があり、音、光、時間、人の目。置き配の場合も(4原則を)意識して対策していただくことが重要」と指摘。
そのためには、まず荷物をむき出しにせず、置き配ボックスを活用するのがいいとのこと。

そのうえで大事なのが『時間稼ぎ』だといいます。

京師さん:
(宅配業者が)南京錠を、荷物を開ける金具の所に付ける。チェーンもだいたい付属で付いている。動かない柵とかに付けていただいて、そうすると犯罪者は嫌がり持ち去りにくくなる。

これらの鍵を見えるようにつけておくことで、犯人は「持ち去るまで時間がかかる」と考えて抑止効果にもなります。

そして、そこに追加するのが『音』。
先ほど設置したチェーンのつなぎ目に防犯ブザーをつけることで、音による威嚇も加わり、対策はさらにパワーアップします。

一見、簡易的すぎて「これで大丈夫?」とも思いますが、置き配窃盗の犯人には、ある特徴があるのです。

京師さん:
空き巣とかそういう七つ道具を持っているとかではなく、多くは手ぶらで盗んで、そのまま走って逃げる等が多い。(簡易的な物でも)十分な効果がある。

いわゆる「プロではない」ことが多いというのが特徴。

さらに、置き配盗難が多いといわれる夜に効果を発揮するのが『光』です。
ソーラータイプであれば、壁に両面テープで貼るだけで設置でき、反応して照らされると、目撃される感じで犯罪者は嫌がると言います。

そして4つ目の対策は、犯人が一番避けたい『人の目を増やす』こと。
実際に防犯カメラがついていなくても、ステッカーを貼っておくことで効果があるそうなんです。

そのポイントは「多言語であること」。
日本で起きている犯罪は日本人だけではないため、日本語・英語・韓国語・中国語・スペイン語、5カ国語のシールがあり、京師さんによると、このシールを使用することで、日本で起きている犯罪者すべてに伝わるといいます。

他にも花壇や、この時期であればクリスマスツリーを置けば家の前を通る人の目を引くことができて、これで抑止力につながるということです。

置き配の盗難にはさまざまな対策があります。

東京都消費生活総合センターによりますと、2023年度の置き配のトラブル相談が368件あり、盗難されたものの例で言うと日用品や衣類、食品などが多くなっています。

そんな中、盗難保険などで補償されたケースは、2023年度でたった5件だったんです。
被害届を出しても受理されないケースが多く、盗難か誤配なのかがそもそも分かりづらいという理由が1つあります。

過去3年間で見ると、98%の方が置き配盗難で結局泣き寝入りすることになったということです。

また、一軒家ではなくアパートやマンションの場合は注意が必要で、マンションなどは玄関の前に置き配ボックスなどをそもそも置けない可能性があるため、大家さんや管理組合に確認してから。
あとは何よりも自分で対策をとったうえで、しっかり自分が在宅できる時に時間指定をするということが必要になります。

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