東京地裁立川支部=2020年10月、林田奈々撮影

 「ルフィ」を名乗る指示役らによる広域強盗のうち、東京都狛江市で2023年1月に高齢女性が死亡した事件など3事件に実行役として関与したとして、強盗致死などの罪に問われた住所不定、無職、加藤臣吾被告(26)の裁判員裁判で、東京地裁立川支部は16日、求刑通り無期懲役の判決を言い渡した。

 岡田健彦裁判長は「強い金銭的欲望に基づき、一連の犯行に主体的、積極的に参加した」と指摘。加藤被告の責任は、実行役のリーダー格として1審で無期懲役判決を受けた永田陸人被告(23)=控訴中=に「次ぐもの」と述べた。

 判決によると、加藤被告は23年1月19日午前11時半ごろ、宅配業者を装って狛江市の女性(当時90歳)の自宅に侵入し、女性を結束バンドで拘束、バールで殴って死亡させ、腕時計を奪った。また、22年12月に広島市西区の店舗兼住宅で住人らに暴行し、現金約250万円などを奪ったほか、23年1月に東京都足立区であった住宅への空き巣未遂事件にも加わった。

 加藤被告は公判で起訴内容をいずれも認め、広島市の事件後、「キム」と名乗る指示役から自身や家族に危害を加えると脅されて狛江市の事件に加わったと主張していた。

 判決では、加藤被告が狛江市の事件で指示役や他の実行役を出し抜く目的で、永田被告との間で「(強奪した金品の)中抜きの合意をしていた」と指摘。「脅されてやむなく参加したというのは実態に即さない」と非難した。

 一連の事件では、渡辺優樹被告(40)ら指示役とされる4人が強盗致死などの罪で起訴されている。【菅健吾】

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