静岡県沼津市は6日、JR沼津駅―沼津港間の約2キロの区間で自動運転バスの実証運行を始めた。同市では2020年から自動運転の実証実験を断続的に実施。今回も緊急時には手動で介入する「レベル2」での運行だが、これまで時速19キロだったバスの速度を40キロに上げ、車両も大型化して運転手を含めて定員20人のバスを使った。6日は関係者が試乗し、7日~15日の間の週末の計5日間、無料で一般運行される。
中国BYD製の電気バスに東京大発のベンチャー企業「先進モビリティ」の自動運転システムを搭載した。バスの前後にカメラ10台と、光センサーを使い物体の形状や距離を立体的に捉える「ライダー」8台を設置。運転席背後にカメラやライダーが捉えた映像や画像を表示することで、乗客も自動運転を実感できる。
また、バスが右折する沼津港近くの交差点には自動運転を支援する「路車協調システム」を信号の上に設置した。カメラとライダーが対向車や歩行者を検知し、バスに情報を伝える。さらに自動運転を一般のドライバーに周知するため路面に緑の破線を引いた。
6日は駐車車両を避けるなどのために一部で運転手がハンドルやブレーキを操作したが、問題なく走行。駅から港まで片道7、8分で到着した。沼津市交通政策室の芹沢徹主任は「今後は実証運行を長期間続けて問題点をあぶりだし、27年度を目標に(遠隔監視の)レベル4での運行をしたい」と話した。【石川宏】
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