1952年に熊本県で起きた殺人事件で、ハンセン病とされた男性が無実を訴えたまま隔離施設内の「特別法廷」で裁かれて死刑になった「菊池事件」の再審請求で5日、熊本地裁(中田幹人裁判長)で地裁、検察、弁護団による三者協議があった。
菊池事件の再審請求を巡っては10月1日、弁護側が要求した九州大名誉教授、内田博文氏(刑事法)の証人尋問があった。内田氏は憲法違反の裁判手続きは再審開始の理由になるという「憲法的再審事由」を主張。地裁の判断に注目が集まっている。
三者協議は非公開で約30分間。弁護団によると、次回協議は12月19日に予定されているが、同5日に検察、弁護団双方に電話で地裁が考える今後の方向性が伝えられるという。
弁護団共同代表の徳田靖之弁護士は「地裁側はこれまで例のない判断に慎重になっていると考えられる」と述べた。【野呂賢治】
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