首都圏を中心に相次ぐ強盗などのうち、横浜市青葉区の住宅で住人男性(75)が殺害された事件で、実行役が奪った現金の回収役とされる木本未穂容疑者(30)=強盗殺人容疑で逮捕=の無職の夫(31)が、東京都国分寺市の強盗致傷事件に現金の回収役として関与した疑いがあることが捜査関係者への取材で判明した。
夫は、北海道内であった特殊詐欺事件に現金を受け取る「受け子」で関与したとして詐欺容疑で逮捕されている。警察当局は夫婦が「闇バイト」に絡んで、各地の事件に関与したとみている。
国分寺市の事件は9月30日に発生。2人組とみられる実行役が住宅に侵入して住人女性を暴行し、現金約550万円などを奪って逃げたとされる。これまでに、実行役から現金を受け取ったとして、職業不詳の樋口伶奈容疑者(30)が強盗致傷容疑などで警視庁に逮捕されている。
捜査関係者によると、防犯カメラなどの捜査で、樋口容疑者は自宅近くの千葉県柏市内で現金を受け取った後、その日のうちにタクシーで東京都足立区内の公園に移動。公園内で現金入りの紙袋を何者かに手渡したとみられる。周囲の防犯カメラに、木本容疑者の夫とみられる人物が映っていたといい、警察当局は確認を進めている。
木本容疑者は横浜市の事件について「夫から何度もお願いをされて回収役を引き受けてしまった。夫の仲介で指示役とつながり、秘匿性の高い通信アプリでやりとりをすることになった」という趣旨の供述をしているという。
木本容疑者の夫は、7月に北海道小樽市の80代女性が約190万円をだまし取られた特殊詐欺事件に受け子で関与したとして、10月19日に北海道警に詐欺容疑で逮捕された。
この事件では、木本容疑者の夫と面識のない現金回収役の男性も摘発されていることから、闇バイトを通じて受け子らが集まっていた可能性がある。
木本容疑者と夫が暮らしていた東京都足立区の自宅周辺の住民によると、夫婦は2人の子どもと暮らしていた。近くに住む女性は「夫婦は家にいることが多くて、どちらも仕事をしているように見えなかった」と話した。【岩崎歩、菅健吾、後藤佳怜、宮本麻由】
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