携帯電話のショップ店員を騙る男から「携帯電話が悪用されている」という電話をきっかけに、鳥取県米子市の90代の男性が現金450万円をだまし取られる被害にあったことが分かりました。犯人は検察官も名乗り、被害者に口座から現金を引き出させ、自宅前の玄関に置くように指示し、回収する手口でだまし取っていて、鳥取県警が注意を呼び掛けています。
鳥取県警によると、被害にあったのは米子市内に住む90代の男性です。9月中旬頃に、この男性の自宅の固定電話に、ドコモショップ店員を名乗る男から「あなた名義の携帯電話が悪用されています」との電話があったということです。
その後、検察官を名乗る別の男に電話が代わり、「暴力団員を逮捕した。その暴力団員が持っていた携帯電話があなたの名義で、詐欺や薬物犯罪に使用され、犯罪で得た約400万円をあなたの口座に振り込んでいる」などと告げられたということです。
さらに犯人は、巧妙な手口で男性から口座情報や1日の出金限度額を聞き出し、「あなたが無実であることを証明するには、400万円を出金して、1万円札を1枚1枚調べる必要がある」と偽り、男性に現金を50万円ずつATMで下ろして自宅に保管するよう指示。「このままでは容疑が晴れず、口座が凍結されてしまう。第三者に口外することは厳禁」などと脅していたということです。
そして約1か月後の10月中旬頃、犯人から「きょうから集まったお金を調べる。東京の警察がお金を取りに行くので、自宅前に現金を置いてください」との指示を受けて、男性が現金450万円を置くと、回収されてしまったとしています。
男性は犯人から「捜査が終われば口座にお金が返ってくる」と言われていたことを信じ込んでいましたが、約束の10月28日になっても返金がなかったことから、親族に相談したことで詐欺被害が発覚しました。
鳥取県警は、「警察や検察を名乗り、『あなたが犯罪に関わっている』などという電話は詐欺の可能性が高い」と注意を呼びかけています。
また「警察や検察が捜査のためにお金を引き出すよう求めることは絶対にない」と強調し、電話でお金の話が出た場合は、相手が誰であっても詐欺を疑うよう呼びかけています。
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