2022年4月と8月に大規模火災に見舞われた旦過(たんが)市場で28日、北九州市による再整備事業に向けた解体作業が始まった。市場関係者は「子どもの頃から慣れ親しんだ風景を、いざ壊すとなるとさみしい」と複雑な思いで見つめる一方、老朽化や防災面の課題を解決する新たな旦過市場の完成に期待を寄せた。
市が解体工事に着手したのは、旦過市場を4区画に分けたうち南側の「中央市場」で、約1900平方メートルにある約40店舗が対象。午前9時ごろ、ショベルカーが木造トタン屋根の建物を壊し始めた。
跡地には4階建ての複合商業施設が建設される。2度の火災で計画は約1年半遅れたが、完成は計画通り27年度末を目指す。市場西側のアーケード通りの店舗は通常営業を続ける。
旦過市場商店街の中尾憲二会長は「複雑な気持ちだが、新しい一歩を踏み出せて良かった。新しい建物になっても雰囲気を維持しつつ、もっとにぎわう市場にしたい」と話した。【井土映美】
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