東京・明治神宮外苑の再開発事業で、三井不動産などの事業者は28日、再開発地区で樹木の伐採を始めた。再開発を巡っては多数の樹木が伐採されることから市民団体の反対の声が根強いが、事業者は伐採樹木を減らす見直し案を東京都の審議会に報告し大きな異論が出なかったことから、伐採に踏み切ったとみられる。
再開発地区は国立競技場に隣接する約28・4ヘクタールで、老朽化した神宮球場と秩父宮ラグビー場の場所を入れ替えてそれぞれ建て替え、超高層ビル2棟を新設する。事業は三井不動産のほか、明治神宮、日本スポーツ振興センター、伊藤忠商事が担う。地区のシンボルである「4列のイチョウ並木」は保全されるが、他の樹木743本が伐採される予定だった。
事業は都の認可を受け、2023年3月から工事が始まった。しかし、市民団体からの反対の声は根強く、都は同9月、事業者に樹木を保全するための具体的な方法を示すよう要請。これを受け、事業者は今年9月、伐採樹木を124本減らして619本とした上、イチョウ並木と新しい神宮球場との距離を、生育への悪影響が指摘されていた当初の約8メートルから約18・3メートルに引き離す見直し案を発表。今月21日に見直し案を都環境影響評価審議会に報告した。【島袋太輔】
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