江戸時代から約400年続く国の重要無形民俗文化財「大津祭」が13日、大津市内であり、13基の曳山(ひきやま)が市中心部を巡行した。県内外から約13万5000人(大津祭曳山連盟発表)が訪れ、同市内に囃子(はやし)の音色が響き渡った。
天孫神社(同市京町3)に集合した曳山は快晴の下、午前9時半ごろに巡行を開始した。同連盟事務局長の山口啓治さん(66)は「晴天で曳山巡行ができて非常にうれしい」と声を弾ませ、長年曳山を引っ張る綱方をしている片岡治さん(51)も「昨年などは天気が悪かったので良かった」とほっとした表情を浮かべた。
曳山は、高さ約6メートルで車輪三つに支えられている。上には能や中国の故事を由来とするからくり人形が置かれ、豪華な装飾も施されている。巡行の途中でからくり人形を動かす「所望(しょうもん)」を披露し、見物客から歓声が上がった。大阪府阪南市から初めて訪れたという上田周さん(72)は「一番驚いたのは3輪であること。400年の伝統を引き継ぎからくりがあるなど面白いところがたくさんある」。大津市の寺田莉央ちゃん(6)は、「笛の音がきれい」と曳山に目を輝かせていた。
止まった曳山から厄よけちまきがまかれ、見物客が手を伸ばした。大阪府守口市の松岡悦子さん(76)はちまきを二つ手にし、「(大津祭に)何十年もの間、行きたくてやっと念願がかなった」と感激していた。
今年初めて湯立山(ゆたてやま)で囃子方の鉦(かね)に挑戦した栗山翔太郎ちゃん(6)は「かっこよく頑張りたい」と意気込んでいた。ボランティアで初めて孔明祈水山(こうめいきすいざん)の綱方をした大学生の後藤耀寛さん(20)は「曳山の動きや行路の状況によって囃子の曲が変わるのを楽しみながら綱を引くことができた」と笑顔だった。【菊池真由】
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