2024年のノーベル平和賞に、被爆者の全国組織「日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)」が決まりました。
ノーベル平和賞の受賞を受け、日本被団協・箕牧智之代表委員は「日本被団協がノーベル賞。本当かいな、嘘かいなという思い。感激のあまり涙こぼしたり」と話しました。
ノーベル平和賞の受賞が決まった日本被団協は、広島や長崎の被爆者などで構成する全国組織です。
1956年の結成以来、68年にわたって被爆者の苦しみや核廃絶を、一貫して世界に発信し続けてきました。
ノーベル委員会は「核兵器のない世界を実現するための努力と、核兵器が二度と使用されてはならないことを証言によって示してきた」と評価し、「被団協をはじめとする被爆者代表の並々ならぬ努力が、核兵器使用がタブーだと確立することに大きく貢献した」と強調しています。
日本のノーベル平和賞の受賞は、1974年の佐藤栄作元首相以来2度目です。
東京・有楽町では号外が配られ、受け取った人は「日本が受賞するとは思っていなくて、今ちょっと鳥肌が立っています」「もっと前にもらっていてもよかったと思う」と話しました。
今回の受賞について、日本被団協の箕牧代表委員は、共に活動を行い3年前に死去した坪井直さんたちについて触れ、「坪井さん・長崎の谷口稜曄さん(2017年死去)あたりが元気なうちにノーベル賞受賞できるのが、一番よかったのではないか」と話しました。
また、高校生平和大使・甲斐なつきさんは「私の曽祖父が広島の被爆者なんですが、被団協の受賞というのが、世論にも大きな影響を与えると思うので、その一環となれるよう私たちも努力していきたい」と決意を新たにしました。
石破首相は、訪問先のラオスで「長年、核兵器の廃絶に向けて取り組んできた日本被団協にノーベル平和賞が授与されることは極めて意義深いことである」と述べました。
国連のグテーレス事務総長は、日本被団協の受賞を祝うコメントを発表し、「今こそ世界の指導者たちは被爆者と同じように明確な目を持ち、核兵器が安全も防御も安心ももたらさない『死の装置』であることを認識すべきときだ」と訴えています。
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