2019年の台風19号災害で1人が亡くなった長野県佐久市入沢地区では、護岸の改良復旧工事が終わりました。ただ、当時の区長は「犠牲者を出さないためには、住民一人一人が防災意識を高めることが必要」と話します。

「がんばろー入沢」の文字。地区の集会所に被災直後からずっと掲げられています。

佐久市入沢地区・渡辺一夫さん(前区長):
「なかなか外せない。皆さんの思いが入ってるんで…」

佐久市入沢地区の渡辺一夫さん(72)。区長としてこの5年、復旧・復興に奔走してきました。

渡辺一夫さん:
「人それぞれ思いはあるかと思いますが、私は『もう5年』というような感じですね」

2019年10月12日、入沢地区では千曲川の支流・谷川が氾濫。護岸や川沿いの道路が崩れるなど大きな被害が出て、住民1人が犠牲となりました。あれから5年ー。

(記者リポート)
「氾濫した谷川の護岸工事も終わり、災害の爪痕はほとんど残っていません」

谷川の改良復旧工事は今年3月に完了。川幅を3メートルほど広げて約9メートルに、川底も2メートルほど深くなりました。5年前の大雨を超える毎秒120トンの水が流れてきても耐えられるようなったということです。

地区住民:
「川も深く掘ってもらい、護岸も丈夫にやってもらい安心です」
「これで安心かなと思ってますけどね」

一方、左岸側に管理道路を通すため、11軒が地区の内外に移転。コミュニティーの維持が課題になっています。

渡辺さんは今年3月、「復旧」を見届け、12年間務めた区長を退任。ただ、この経験を地区の「復興」に生かしていきたいと考えています。

今後も「がんばろー入沢」は掲げ続けます。

渡辺一夫さん:
「これからソフト面で頑張らないといけないので、『復興』までね。これを掲げて気持ちを引き締めていきたい」

5年前、県内を襲った台風19号。災害関連死も含め24人が亡くなりました。犠牲者を出さないために渡辺さんは「地域のひとりひとりが防災意識を高めることが必要」と話します。

佐久市入沢地区・渡辺一夫さん(前区長):
「どんな災害にも耐えられるように防災意識をいつも持ってなきゃいけない。やはり自分の命は自分で守ることが大事。みんなで地域をあげて防災意識を高めていく」

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