元日の能登半島地震で被災した「のとじま水族館」(石川県七尾市)が11日、ジンベエザメの展示を再開させた。これまで2頭を飼育していて水族館のシンボルとなっていたが、地震後に相次いで死んでしまった。来場者らは、新たに展示されたジンベエザメが巨大水槽で悠々と泳ぐ姿に見入っていた。
地震で七尾市は震度6強の揺れに見舞われ、水族館ではジンベエザメの水槽に水を送る配管や、水を温めるのに使われる循環ポンプが壊れた。
その影響で水温が通常の25度から17度に下がり、1月9日にハチベエ(雄、体長4・6メートル)が、翌10日にハク(雌、体長4・9メートル)が死んでいるのが確認された。水族館自体も約半年間、休館せざるを得なかった。
展示が始まったジンベエザメは体長4・4メートルの雌。石川県の志賀(しか)町沖で定置網にかかったという。愛称を10月12日から12月1日まで募集し、五つの候補から来場者に応募用紙で選んでもらう。地震で再び命を落とさないよう、予備の循環ポンプを3台確保するなどした。
展示・海洋動物科長の加藤雅文さん(53)は「水槽でしっかり泳げているのでひとまず安心。今まで以上にのとじま水族館のシンボルとして皆さんに親しんでもらいたい」と話した。【国本ようこ】
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