逮捕から58年。袴田巖さんの無罪が確定しました。検察は10月9日、袴田さんへの無罪判決に対し上訴権を放棄しました。静岡県警の津田隆好 本部長は、袴田さんに対して謝罪する意思を示しています。

「巖が死刑囚でなくなることがうれしい」

袴田ひで子さん:
本当に裁判が完全に終わるということで、とてもうれしく思っています。(控訴断念を)聞いた時に、これでやっぱり終わるのだと思って58年の苦労がすっ飛んだというか喜びしか今のところありません。これで一件落着で、誰にも何も言われないということ。それから巖が死刑囚でなくなるということが、とてもうれしい

袴田巖さんへの無罪判決に対して10月8日、検察が控訴を断念すると表明したこと受け、このように心境を語った姉・ひで子さん。

1966年、当時の清水市(現在の静岡市清水区)で、一家4人が殺害された事件で袴田さんが逮捕されて58年。死刑確定から44年。ようやく「真の自由」を手に入れました。

袴田ひで子さん:
真の自由を、巖もよく言っていましたが、自由をこれから得ていきたい。もう88歳ですから、あまり多くを望みませんが、巖にはもう少し長生きしてもらいたい。なるべく長生きをさせたい。生活そのものは、ごく平凡に静かに暮らしていけたら良い

県警本部長は謝罪の意思示す

控訴の期限は10日まででしたが、静岡地検は9日午前、上訴権を放棄する手続きを行い、袴田さんの無罪が確定しました。

静岡県警の津田隆好 本部長は、袴田さんに対して謝罪する意思を示しています。

静岡県警・津田隆好 本部長:
当時捜査を担当していた静岡県警察としても、袴田さんが長きにわたって法的地位が不安定な状況に置かれていたことについて申し訳なく思っています。袴田さんについてこのような思いをお伝えしたいとに思っておりますが、方法等につきましてはご本人の意向や関係者等々にいろいろ相談したうえで考えたいと思っております

また、県警として「可能な範囲で改めて事実確認を行いたい」とコメントしています。

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