袴田巌さん(88)に対する静岡地裁の再審無罪判決が確定したことを受け、日本弁護士連合会の渕上玲子会長は9日、「刑事司法制度の抜本的な改革に取り組まなければならない」との談話を出した。
渕上会長は、国が袴田さんに真摯(しんし)に謝罪した上で、冤罪(えんざい)の発生や、無罪確定までに長い年月を要した原因を検証し、是正する措置を講じなくてはならないと指摘した。
袴田さんの再審請求手続きが長期化した点を最高検が検証するとしていることに対しては、「非人道的な取り調べや証拠の捏造(ねつぞう)が認定されたことを真摯に受け止め、冤罪の原因と責任の所在を明確にしなければ、同様の被害を防げない」と訴えた。
日弁連として死刑制度の廃止や再審制度の整備を実現するために力を尽くすとしている。【菅野蘭】
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