「世界報道写真展2024京都」が11月30日から、京都市中京区の京都新聞ビル地下1階印刷工場跡で開かれる。京都新聞と世界報道写真財団で作る同展実行委員会が主催。同紙掲載の写真シリーズが今年のコンテストで入賞したことがきっかけで、日本での開催は3年ぶりとなる。
世界報道写真展は世界で最も権威のある写真コンテストの一つで、今年は130の国と地域から約6万点の応募があった。六つの地域(アフリカ、アジア、欧州、北中米、南米、東南アジアとオセアニア)ごとに、「シングル」「ストーリー」など4部門で地域優勝者計24点が決まり、各部門のグローバル優勝者も選ばれた。
京都展では、全体の大賞に当たる「今年の写真」を受賞した、ロイター通信のモハメド・サレム記者撮影の「めいの遺体を抱きしめるパレスチナ人女性」、オープンフォーマット部門のアジア地域優勝者となった、京都新聞の松村和彦記者の「心の糸」などの受賞作に、佳作と審査員特別賞を加えた約30点が展示される。
ロイター通信によると、サレム記者の写真が撮影されたのは昨年10月17日。パレスチナ自治区ガザ地区南部の病院の遺体安置所にしゃがみこんだ女性がめいの遺体を抱きしめて泣いている。審査では「配慮と敬意をもった構成」が評価されたという。「心の糸」は認知症当事者の心情と症状を写真と文章で表現した作品。会場には松村記者が撮影した計4枚の写真が展示される。
実行委は開催資金を補うため、クラウドファンディング(CF)を実施(https://the-kyoto.en-jine.com/projects/wpp2024kyoto)。返礼品には入賞作の写真集や松村記者と同展審査員によるギャラリーツアー、CF限定のオリジナルグッズなどが用意されている。
開催は12月29日まで(15日は休館)、午前10時~午後6時、無料。【佐藤賢二郎】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。