東京電力福島第1原発が立地する福島県双葉町は5~6日、原発事故で使われなくなって解体を決めた町立ふたば幼稚園と町立双葉中学校の見学会を開いた。園舎や校舎を卒業生らが見られる「最初で最後の機会」となり、訪れた延べ483人が学び舎(や)との別れを惜しんだ。
原発事故まで同幼稚園で13年間にわたり用務員を務めた飯塚洋美さん(62)は避難先の東京都から訪れ、「またにぎやかな子どもたちの声が聞こえてきそう。園児の道具も残っていて解体や処分は残念」と悔やんだ。
双葉中では子連れの卒業生の姿が目立った。長男(12)や長女(10)らと訪れた志賀美紀子さん(46)は「『震災がなければ子どもたちも通っていたのに』と複雑な気持ち」。生活基盤は避難先のいわき市に移ったが、「双葉町とはつながり続けたい」と話した。
町内の学校を巡っては、町が双葉南小を震災遺構のような形で保存し、北小の校舎も活用を検討している。【尾崎修二】
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