沖縄県立那覇西高校の仲吉健一校長は9月20日、夏休み期間中にボランティアで校内のトイレ清掃に励んだ1~3年生28人を表彰した。トイレが汚れて「気持ちよく使えない」ことが課題で、生徒が夏休みの時間を活用し徹底的に清掃したことで、きれいなトイレを取り戻した。ボランティアを呼びかけた環境整備担当の鈴木潤三教諭は「生徒の自己肯定感アップにつながった」と喜んだ。(社会部・屋宜菜々子)
同校によると夏休み前のトイレは、洗面台の上には空きペットボトルやピン留めなどが放置され、日々の清掃時間だけでは落としきれない汚れが残っている「汚いトイレ」だった。鈴木教諭によると「汚いからきれいに使えず、悪循環に陥っていた」と振り返る。
夏休み期間中、誰が清掃するのかも課題だった。新型コロナウイルス禍前には出校日に清掃していたが、感染防止のため出校日がなくなってからは、部活動生が清掃していた。
鈴木教諭は「みんなが嫌がるトイレ掃除に、人が集まるだろうか」と半信半疑でボランティアを募ったところ、心配とは裏腹に多くの生徒が手を上げた。鈴木教諭が清掃マニュアルを作成し、生徒はマニュアルに沿って徹底的に磨き上げた。
参加者のやる気や、他の生徒の「きれいに使う」意識付けにつなげようと、ボランティアの様子を校内の環境美化通信で配信した。
夏休み明けには、生徒や教員から「きれいになった」と喜びの声が上がったという。総勢36人の生徒が参加し、3回以上参加した28人を表彰。仲吉校長は「みんなの頑張りで、ここまできれいになった」とたたえた。
表彰された赤嶺希羅里さん(3年)は「汚い所をきれいにしたら、みんなが気持ちよく使えるようになった。やりがいがあった」と達成感をにじませた。
男子のボランティアが少ないと知って参加した島袋拓真さん(同)。「困っていることがあれば、自ら進んでやることが大事だと学んだ」と笑顔を見せた。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。