大阪市にある「正圓寺」の土地をめぐり虚偽の登記をした罪などで大阪地裁から懲役2年6カ月の実刑判決を言い渡された元住職の男が、一審判決を不服として控訴する方針を固めたことが関係者への取材で分かりました。
平安時代に創建されたと伝えられる大阪市阿倍野区にある「正圓寺」の元住職・辻見覚彦被告(57)は、別の被告の男に寺の土地を売買したと装う虚偽の登記をしたり、虚偽の公正証書を作成して、供託金およそ2200万円をだまし取った罪などに問われていました。
■寺の土地『差し押さえ』免れるため犯行か
起訴状などによると、辻見被告は寺の敷地内に特別養護老人ホームを建設しようとした際に資金繰りが悪化。
建設費用の支払いが滞っている建設会社から、寺の土地が差し押さえられるのを免れるため犯行に及んだということです。
■「『寺を守りたい』という動機があっても犯行は正当化されない」懲役2年6カ月
ことし3月から始まった裁判は、辻見被告が起訴内容を全面的に認め、検察側は懲役4年を求刑して結審。
7日の裁判で大阪地方裁判所は「だまし取った2200万円の被害弁償は全くされていないし、『寺を守りたい』という動機があったとしても犯行が正当化されないのは当然」などと指摘して、辻見被告に対し懲役2年6カ月の実刑判決を言い渡しました。
■元住職は控訴の方針「住職として寺に戻りたい」
その後の関係者への取材で、辻見被告が大阪地裁の一審判決を不服として、控訴する方針を固めたことが新たに分かりました。
辻見被告はことし3月、関西テレビの取材に対し「寺を再建するために住職として再び寺に戻りたい」と話していました。
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