9月18日・19日と静岡県川根本町と静岡市で大規模な落石や土砂崩れが発生し、道路が寸断されました。県中部の山間部で相次いだ土砂災害。砂防学の専門家にその理由について聞きました。

小松建太アナウンサー:
人の背丈や車よりも大きな岩でしょうか。大量に道路に流れこみ道路をふさいでしまっています

9月18日、川根本町の観光地寸又峡の温泉街から「夢のつり橋」に向かう道路で大規模な落石があり、観光客など34人が一時取り残されました。

その後、全員が無事救助されましたが、つり橋への道路は寸断されたままです。

さらに9月19日、静岡市葵区の山間部林道東俣線で法面の土砂およそ700立方メートルが崩落し、山側にいた登山客や工事関係者 計200人が一時取り残されました。

静岡県の北部は地質がもろい

雨が降らなかった時期に県中部の山間部で、なぜ土砂災害が相次いだのか。

砂防学を専門とする静岡大学の今泉文寿 教授に聞きました。

静岡大学・今泉文寿 教授:
山は基本的に雨の時に崩れることが多い。静岡県の北部は地質がもろいので、雨がなくても崩れることがよくあります。

元々、海洋のプレートの上にあった岩が大陸のプレートにくっつくことで、今の静岡の北部の山が形成されています。大陸のプレートにくっつくときに岩にひびが入ってしまって、それが岩のもろさにつながっているといえます

県内では8月下旬から9月上旬にかけて、台風10号の接近にともなう大雨に見舞われました。

その影響については…

静岡大学・今泉文寿 教授:
直接的に影響しているかどうかは、はっきり言うのは難しい。そういった過去の雨によって岩盤の亀裂が大きくなったりとか、あるいは岩盤の周辺の土砂が流されて岩盤が不安定になる。その後、山が崩れることもあります。

ただ、岩盤が不安定になる原因としては、岩盤の風化が長い年月をかけて進むとか、冬の間に岩盤の中の水が凍ったり溶けたりすることによって、ひびが少しずつ拡大していくとかいろいろな要因が重なって岩盤が不安定化するので、前回の台風の時の雨が直接影響したかどうかはっきりいうのは難しい

秋の行楽シーズンに気を付けることは

秋の行楽シーズンに山間部に行く人も多い中、私たちはこうした土砂災害にどう気をつければいいのでしょうか。

静岡大学・今泉文寿 教授:
大きく崩れる前に小さな石がパラパラと落ちてくるのが前兆現象としてよく報告されています。それは雨が降ってない時 共通してみられるような現象です。

もし斜面の上の方から小さな石が落ちてきている場合は、その後大きな崩れが発生するおそれがあるので、足をとめて安全なところに移動をするのが1つの対策

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