登山者と下山者でごった返す富士山の5合目登山口=富士吉田市で2024年9月10日午後2時22分、田中綾乃撮影

 富士山の夏山シーズンが終わり、山梨県側登山道「吉田ルート」で県が今夏導入した入山規制について、富士吉田市などは11日、登山者数を公表した。市によると、7月1日~9月10日に6合目を通過した登山者は13万2904人で、23年夏に比べ17・2%減。「弾丸登山」とみられる午後7時~午前0時は同95%減だった。

 市は6合目の富士山安全指導センターの事務局を担当。センター前を通過して7合目に向かう登山者を集計しており、規制の効果があったとみている。

 一方、1合目手前の「馬返し」(標高1450メートル)の通過者で集計した、ふもとからの登山者数は今季1万3520人(1日当たり188人)で前年並みだった。

 堀内茂市長は「登山者数は適正になり、登山客の安心感が大きく上がったと思う」と規制を評価した。

 県は今季、5合目に規制ゲートを設置。入山者の上限を1日4000人とし、午後4時~午前3時は山小屋の宿泊予約者と下山者以外の通行を制限した。

 開山期間中、県が5合目の通行を許可したのは計14万1714人。9月7日の3382人が最多で、8月11日(3260人)、同12日(3107人)が続いた。

 長崎幸太郎知事は「混乱やトラブルの心配をしたが、順調に実施できた」と振り返った。来季に向けては、「静岡県とのハーモナイゼーション(協調)が課題だ」と述べたほか、入山を規制する人数、時間帯、通行料金について見直しが必要との認識を示した。【佐藤薫】

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