那覇地裁

 16歳未満の少女を車で誘拐し、自宅で性的暴行を加えたとして、わいせつ目的誘拐と不同意性交等の罪に問われた米軍嘉手納基地(沖縄県嘉手納町など)所属の米空軍兵長、ブレノン・ワシントン被告(25)への被告人質問が30日、那覇地裁(佐藤哲郎裁判長)であった。初公判で無罪を主張したワシントン被告は、行為に少女が同意していたと改めて訴え、年齢についても「(少女は)18歳と言っていた」と述べた。

 起訴状などによると、ワシントン被告は2023年12月24日、沖縄本島中部の公園で、少女を「寒いから車の中で話さない?」などと誘って車で基地の外にある自宅に連れ込み、16歳未満と知りながら下半身を触るなどの暴行を加えたとされる。

 23日の前回公判では少女が証人として出廷し、公園で英語やジェスチャーを交えて「15歳」と伝え、自宅でも「やめて」「ストップ」などと拒否したと証言。ワシントン被告が「軍の特別捜査官」などと名乗ったため「逆らうのが怖かった」と述べた。

 それに対し、ワシントン被告は30日の被告人質問で「(少女が)積極的だった」「良い雰囲気だった」と反論し、スマートフォンの翻訳アプリなどを使って何度も同意を確認したと主張した。また、少女が昨夏にも自宅近くで外国人男性から抱きつかれるなどの被害に遭い、その男性がワシントン被告だったと証言したことについても「作り話だ」と否定した。

 検察側から当時の状況や取り調べ時の発言について問われ、「覚えていない」「わからない」と繰り返す場面もあった。

 次回公判は10月25日で、検察側の論告求刑や弁護側の最終弁論などがあり、結審する見込み。【喜屋武真之介】

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