■松村防衛担当相が会見「特別な注意は求めない」
15日、松村防災担当大臣が会見を開き、今月8日に発表されていた、南海トラフ地震の「臨時情報」について、注意の呼びかけを終了すると発表しました。
【松村防災担当相】「政府としては、日ごろの地震への備えの再確認や、すぐに逃げられる体制で就寝するなど、特別な注意を呼びかけてきたが、気象庁から地震活動や地殻変動に独断の変化が観測されなかったことから、特別な注意の呼びかけについては、17時をもって終了しました」
「すぐに逃げられる体制で就寝するなどの、特別な注意は政府として特に求めることは行わないということであり、国民の皆さまにおかれては、通常の生活を行って差し支えないと考えております」
■地震を分析した専門家「M8クラスの地震が起こる、十分なひずみが蓄えられている」
また、今回の地震を分析した京都大学の西村教授によると、南海トラフ地震の想定震源域では目立った地殻変動は確認されませんでした。
しかし、この想定震源域では地震を引き起こす原因となる『ひずみ』が四国や紀伊半島などで、着実に蓄積しているとみられ、今回の地震で解消されたわけではなく、「注意が必要だ」ということです。
【京都大学防災研究所 西村卓也教授】「南海トラフ地震は、過去に繰り返し発生してきた地震で、ひずみがどんどん蓄積している状況が分かっている地震になります。前回の(南海トラフ)地震から、80年間、着実にひずみがたまり続けてきている。マグニチュード8クラスの地震が起こるのに、十分なひずみが、すでに蓄えられている。(臨時)情報なしに突然、大きな南海トラフ地震が来る場合も十分あります」
■「巨大地震注意」呼びかけ終了しても「警戒感はゼロにはしないで」と専門家
15日午後5時をもって「巨大地震注意」の呼びかけが終了しましたが、私たちはどう生活をしていけばいいのか、専門家に聞きました。
避難行動に詳しい京都大学防災研究所の矢守克也教授によると、「警戒をゼロにするのはNG!」と指摘します。
巨大地震注意とは、「1だった警戒感を、2から3にギアをあげるという意味合いで、呼びかけ終了は1に戻るだけで、今後もゼロにはなりません。30年以内に70%~80%の確率で発生するといわれている、南海トラフ地震の危機はまだ去っていないから」ということです。
警戒のギアを1つ上げたという経験を、今後にも生かしていきたいです。
■お盆の行動に変化は?
今回の巨大地震注意の呼びかけ期間は、お盆の時期と重なりましたが、生活に変化はあったのでしょうか。
番組では公式LINEでアンケートを行いました。
「お盆の予定、生活に影響がありましたか?」という問いに対して、「はい」が42%、「いいえ」が58%でした。
「いいえ」と答えた方の中には、「心配しても仕方がない」「デマ情報が多すぎた」「普通に旅行した」といった回答がありました。
一方、「はい」と答えた方の中には、「帰省をやめた」、「“ディズニー旅行”が中止になった」「海辺への旅行予定が急きょ、行き先変更」という回答がありました。
南海トラフ地震の「臨時情報」は、お盆の過ごし方にも少なからず影響を与えたようです。
(関西テレビ「newsランナー」2024年8月15日放送)
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