昇魂之碑の前に設置された「安全の鐘」を鳴らし黙とうする日本航空の社員ら=群馬県上野村で2024年8月8日午前10時23分、加藤栄撮影

 1985年8月12日に日航ジャンボ機が御巣鷹(おすたか)の尾根(群馬県上野村)に墜落した事故から39年を迎えるのを前に、日本航空とグループ会社の社員約20人が8日、安全研修として尾根を訪れた。慰霊碑「昇魂之碑」の前で日航グループの安全憲章を読み上げ、空の安全を誓った。

 安全研修は、墜落機が展示されている東京都大田区の安全啓発センターで事故の内容を学んだ後、慰霊登山を行う。2015年に始まり、入社3年以内、入社10年目、管理職のそれぞれの社員が参加する。

日本航空グループの安全憲章を読み上げる社員ら=群馬県上野村で2024年8月8日午前10時24分、加藤栄撮影

 この日は、入社10年目の社員らが参加。安全推進本部に所属する社員のガイドのもと、犠牲者の名前が記された銘標が並ぶ山道を登り、昇魂之碑に手を合わせた。また、昇魂之碑の前では遺族により設置された「安全の鐘」を鳴らし、黙とうをささげた。

 入社以来2回目の訪問という同社人財戦略部、正木麻里江さん(32)は「妻や母となり、初めて来た時とは違う当事者意識が芽生えた。特に供えてあった子供用のおもちゃを見ると心が痛んだ」と語り、「仕事内容は直接飛行機に関わるものではないが、組織として事故を防ぐように努めていきたい」と力を込めた。

 飛行機の整備を行うJALエンジニアリングの佐藤愉威さん(33)は「一つもミスをしてはいけないと強く思った。日々の業務を確実に行い、事故を風化させないためにも後輩たちに伝えていきたい」と話した。【加藤栄】

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