36人が犠牲となった京都アニメーション放火殺人事件から、18日で5年がたちました。

現場となったスタジオ跡地では追悼式が営まれました。

■「喪失感は変わらない」スタッフや遺族の思い

【京都アニメーション 従業員】「5年たった今でも、大切な仲間を亡くしたという喪失感が、変わらず胸の内にあります。皆との思い出はもう増えることがありません。それが本当に寂しいです」

18日、京都アニメーション第一スタジオの跡地で行われた追悼式。京都アニメーションのスタッフや遺族など144人が参列し、従業員が今の思いを述べました。

2019年7月18日、京都アニメーション第一スタジオが放火され、36人が死亡、32人が重軽傷を負いました。

裁判で犯行動機について、「京アニに小説のアイデアを盗まれた」などと主張した青葉真司被告(46歳)。今年1月、死刑判決が言い渡されましたが、不服として控訴しています。

事件で亡くなった石田奈央美さん(当時49歳)は、“色彩設計”の担当として数多くの京アニ作品に携わってきました。

一緒に暮らしてきた母。どれだけ時間がたっても娘への思いは変わりません。

【石田奈央美さんの母】「長いようで短かった。裁判までものすごい長く感じたけど、済んでみたら、もう5年やって思って」
「命日がこうして近づくとみんな(花を)送ってくれるので、思い出しますわ。やっぱり」

■「彼らの思いを背負って作品作りを続けたい」

亡くなった36人と同じ数のひまわりが飾られた18日の追悼式。事件の発生時刻に合わせて、黙とうがささげられました。

【京都アニメーション 従業員】「多くの仲間を亡くし、それでも作品作りを続けるのは、それによってたくさんの人に喜びや感動を届けること。そう志して集まった皆のことを思えばこそ、ものづくりに真剣に向き合うことが、私たちなりの弔いになると信じているからです。どうか、正々堂々とものづくりに臨む私たちの姿を、これからも見守っていてください」

【京都アニメーション 八田英明社長】「5年たとうと、10年たとうと変わらないと思います。ただ、彼ら、彼女らの思いは、これからもみんなが、今いるスタッフが背負って、作品作りを続けていきたい」

そして、京都府宇治市の公園には、祈りをささげるファンの姿がありました。

7月14日に完成した事件を後世に伝える「志を繋ぐ碑」。36羽の鳥が羽ばたく様子が表現されています。

【訪れた人】「好きだったアニメにかかわってきた方々が事件で亡くなられてすごく寂しい。感謝の気持ちを伝えるのに合わせて、これからもがんばってほしいなという気持ちを込めました」

【訪れた人】「直接思いを伝えられる場でもあるので、これからも京アニの作品をずっと見ていきますという気持ちを伝えました」

碑文に刻まれたのは「夢と情熱を人から人へ」。

京アニのファンやスタッフ、そして残された家族…。さまざまな思いを抱え、事件から5年を迎えています。

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