7月1日で発生から半年が経った能登半島地震。液状化被害を大きく受けた新潟市西区では復旧作業が進む一方、不安の声も聞かれる。再建に向けて奔走するホテルの今を取材した。

液状化でホテルの本館・別館傾く

地震発生後、液状化の影響で至るところで地盤沈下や隆起が発生した新潟市西区。

本館と2棟の別館が大きく傾き、再建に向けて動いていたのは寺尾朝日通りに建つ「ホテル寺尾」だ。

「ホテル寺尾」本館と別館2棟
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地震から3カ月が経った際、勝島猛代表は「別館が1500万、500万として2000万。本館は地盤改良も含めて建て直したいので6000万。別館と合わせると8000万。ホテル寺尾最大のピンチ…」と、どの程度の支援を受けることができるか不透明な中、勝島代表は再建を目指す大きな決断をしていた。

ホテル寺尾 勝島猛 代表

復旧進むも…「液状化進行している」

地震発生から半年…再びホテルを訪ねると、別館の1棟の工事が完了し、20cmほど傾いていたというもう1棟の別館のジャッキアップ工事が行われていた。

ジャッキアップ工事

勝島代表が「幸い1棟増えたせいか、2月、3月半分くらいに落ちていた売り上げが平年並みに戻った」と話す通り、31部屋ある中、25部屋が使えるようになり、売り上げは徐々に回復してきている。

しかし、まだ手つかずの本館では今も地盤が少しずつ沈んでいるという。「1月、ビー玉を転がした時にはなかったのに、いま進行して穴が空いてきた。まだ液状化が進んでいる証拠」

1月にはなかった床の穴

「どれが適用されるか…」補助に不安

この半年間、傾いた建物の復旧に向けて奔走してきた勝島代表。

「気持としては長く感じている。やることがたくさんあって、1個ずつ片付けていってという形」

中規模半壊と判定されたホテルの復旧には、経費の4分の3を補助する県の“なりわい再建支援補助金”を活用できるのか、それとも上限額が150万円の“被災者生活再建支援金”が適用となるのか…いまだ書類の整理などが追いつかず、申請ができていない状況だ。

「(被災者生活再建支援金だと)高くても150万…全然賄えない。本当になりわいが出るのだろうか、もし出ないならこちら側の補助もお願いしたいが」

復旧作業が進む一方で、まだ被災した人の不安は多く残っている。

(NST新潟総合テレビ)

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