通信アプリLINE(ライン)の個人情報流出問題で、総務省は16日、アプリを運営するLINEヤフーに対し2度目の行政指導をした。再発防止策として大株主の韓国IT大手ネイバーとの資本関係の見直しなどを要求していたが、同社が1日に提出した防止策では不十分だと判断。対策強化を急ぎ、7月1日までにその進捗(しんちょく)状況を報告するよう求めた。
昨年発覚した情報流出はネイバー側への不正アクセスが発端だった。総務省は3月、ネイバーが支配する資本関係を含めた経営の抜本的な見直しを要請。別の株主であるソフトバンクに対し資本関与の拡大も求めた。
LINEヤフーは再発防止策に「ネイバーへの委託を順次縮小・終了していく方針」と明記。しかし、総務省は進め方や時期について「具体策が示されていない」と指摘し、再考を促した。ネイバーとのシステムの分離についても同社は2026年12月に完了する計画を示したが、総務省は対応が遅すぎるとして前倒しを求めた。
松本剛明総務相は16日、「前回の行政指導に対する対応が不十分だった事態を重く捉えていただきたい」と強調した。LINEヤフー社は「真摯(しんし)に受け止め、信頼回復に努める。今回の行政指導をふまえ、取り組みを加速させる」とのコメントを発表した。
LINEヤフーの個人情報流出問題では、利用者や取引先に関する最大約52万件が外部に流出したとみられている。【藤渕志保】
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