川崎市が条例で設置する人権救済機関「市人権オンブズパーソン」は、市の教職員9546人を対象にしたパワーハラスメントとセクシュアルハラスメントに関するアンケート調査の結果を発表した。回答した1184人(回答率約12%)中、過去3年間にパワハラを受けたと答えた人は217人で約18%、セクハラ被害を訴えた人は51人で約4%だった。
オンブズパーソンは、職場環境の改善が必要と判断して、小田嶋満教育長に20日付で「意見表明」を実施。ハラスメントに関する周知啓発活動の充実や効果的研修の実施、相談体制の充実を求めた。意見表明を行うのは17年ぶり。
パワハラでもセクハラでも、被害後の行動(複数回答)は「何もしなかった(できなかった)」が4割前後だった。最多の理由は「何も変わらないと思った」だった。
パワハラに関して「答えたくない」も4%いた。種別(複数回答)では「精神的攻撃」が約7割、「過大な要求」が4割強、「人間関係からの切り離し」が約26%だった。セクハラ被害の回答で「答えたくない」は2%。種別は「容姿や年齢の話題、性的冗談」が約8割で最多だった。
アンケートは市教育委員会に依頼し2023年8~10月にオンラインで実施。回答は任意で無記名で行われた。回答者は6割が小学校、22%が中学校、9%が高校勤務。年齢別では20代19%、30代22%、40代22%、50代27%、60代以上10%だった。
オンブズパーソンは子供の権利の侵害や男女平等にかかわる人権侵害について、市民らが相談や救済の申し立てをすることができる機関。調査を行い、市の機関に制度改善の意見表明や是正勧告を行うことができる。【和田浩明】
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