日本銀行は26日の金融政策決定会合で、金融機関がお金を短期間貸し借りする際の「無担保コール翌日物金利」(短期金利)を0~0・1%に誘導する事実上のゼロ金利政策である現行の金融緩和策の維持を全員一致で決めた。前回3月の会合でマイナス金利政策の解除など17年ぶりの利上げに踏み切ったが、その影響を慎重に見極める。
26日の会合終了後、経済や物価の見通しを示す「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」も公表した。
1月公表の前回リポートでは、消費者物価上昇率の予測値は、令和6年度は前年度比2・4%だったが、足元の電気料金の上昇などを踏まえ、2・8%に0・4ポイント上方修正した。
7年度は1・8%から1・9%へ上方修正、今回のリポートで初めて示す8年度は、1・9%と見込んだ。3月会合で2%の物価目標の達成の見通しの確度が高まったとして、マイナス金利解除に踏み切った見方を反映した形だ。
日銀は経済の現状と物価上昇の勢いを点検し、追加利上げの時期を判断する構え。
植田和男総裁は26日午後に記者会見し、決定理由を説明する。植田氏はマイナス金利解除後も「緩和的な金融環境が続く」とする一方、円安が物価に無視できない影響を与えれば追加利上げに踏み切る方針も示唆。
外国為替市場では日米の金利差が意識され、1ドル=156円前後の歴史的な円安ドル高水準で推移している。会見で植田氏が足元の円安進行や追加利上げに関してどのような発言をするかが注目される。(永田岳彦)
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